萩生田光一文部科学相が9日の閣議後の会見で、オンライン授業の在り方について「学校に来なくてもいい世の中をつくってはいけない」との考えを示したそうだ。
平井卓也デジタル改革相や河野太郎行政改革相から求められた教育のデジタル化の加速について、「オンライン授業だけで学校へ行ったことにするような乱暴な代替策は現段階で考えて欲しくない」と発言。
萩生田大臣は「原則として児童や生徒のそばに教員が同席することが必要」「学校教育では対面、集団での学びや、リアルな体験を通じて、思考力や判断力、人間性を育てる必要がある。一人一人に適切な指導をするためには児童・生徒のそばに教師がいる必要があり、教師がいない指導が対面授業に代替できるとは現段階で考えていない」「全国一斉に同じテーマをオンラインで学べるようになれば、必ずしも先生がいなくても、いい授業ができるかもしれない。絶対に駄目だとか、絶対必要だとか決める段階ではない」と言う。
「オンライン授業だけを受けている学生」に、単位を与えるなというのか。
コロナ禍下、学校に来なくても授業ができるように努力している現場を理解していない。
オンラインで「児童や生徒のそばに教員が同席」は、不可能である。どうやるって? どらえもん?
「教師がいない指導が対面授業に代替できるとは現段階で考えていない」と決めつけることは、「そうするしかない」状況を引き受けて、オンライン授業を受けている現役の学生たち、オンライン授業を可能とするため動いている学校・教員に対して、あまりに失礼である。
オンラインについてはいろいろ思うところも多いし、私も意見はある。
しかし、こんな発言をする者が大臣で、日本の教育は大丈夫なのか。
「全国一斉に同じテーマをオンラインで学べるようになれば、必ずしも先生がいなくても、いい授業ができる」というのは、たいへん危険な思想でもある。
写真は、福島県環境創造センター交流棟(コミュタン福島)にある「触れる地球」の説明。身内に他の所で「デジタル地球儀」を仕事にしている者がいるので、あれ、と思った。
手で触るといろいろに反応する地球の立体パネルだった。
確かにわかりやすい。
そういう教育ができなくなっている現実である。
だが、これもデジタルだ。
時代は変わっていく。それをあれこれ言っても始まらない。