CO2削減をダシに「原発新設」。
菅政権が所信表明演説で温暖化ガスの排出量を2050年に実質ゼロにする目標を掲げると言い出したとき、いずれ絶対に「原発の利用」推進を言うだろうと思ったが、それどころか、世耕参院幹事長に「新技術を取り入れた原発の新設も検討」と言わせている。
なぜみんな本気で怒らないのだろう。
福島第一原発事故からまもなく十年。
こんな暴言を許してはならない。
「脱原発」のための努力、残された廃棄物、燃料の処分をどうするかについて考えていくことと、「原発推進」は、まったく違うことである。
私たちは、多大な犠牲をはらって、切実な教訓を得たのではないのか。
自民党の世耕弘成参院幹事長(元経済産業相)は27日の記者会見で、国内の温室効果ガス排出を2050年に実質ゼロとする目標の達成には、原発の利用が必要との認識を示した。原発は二酸化炭素(CO2)を出さずに、大量のエネルギーを供給できるとして「安全に配慮しながら再稼働を進め、新技術を取り入れた原発の新設も検討することが重要だ」と述べた。
水素エネルギーの活用や、CO2を燃料に再利用するカーボンリサイクルなどの次世代技術の開発に向け、21年度以降の予算を確保すべきだとの考えも明らかにした。(共同)
水素エネルギーの活用や、CO2を燃料に再利用するカーボンリサイクルなどの次世代技術の開発に向け、21年度以降の予算を確保すべきだとの考えも明らかにした。(共同)
自民党の世耕弘成参院幹事長は27日の記者会見で、菅義偉首相が26日の所信表明演説で2050年までに温室効果ガスの排出を実質ゼロにする目標を掲げたことについて、目標実現に向けて原発の新設も検討すべきだとの認識を示した。
世耕氏は元経済産業相。実質ゼロ目標を「世界的にも非常にインパクトのある宣言だ」と評価し、「現実問題としてCO2(二酸化炭素)を出さずに大量のエネルギー供給ができる電源は原子力」だと言及。「安全に最大限の配慮をしながら原発の再稼働を進めていく。まだ政府の方針にはなっていないが、もっと新しい技術を取り入れた原発の新設といったことも検討を進めていくことが重要だ」と述べた。【毎日 野間口陽】