小沼さんが他者の作品に寄せた言葉群。ライナーノートや解説やカタログや批評記事、等々。
どうしても本人以外に寄せた言葉だからお行儀が良いかと思うと、ときどき楽しく遊んでいる、というところから跳ねて、やりたい放題のものもある。対象の個性に合わせ、寄り添って、いる。で、新造語も出てくる。油断すると、やられる。「竹中労」には、笑った。対象は幅広い。トランプ大統領の八年前、最初の就任式。そして、横文字で語られる、ねこ。
一番遊んでいるかもしれないのは、燐光群の公演に寄せた「地図は、どこ」。
どう遊んでいるかは、内緒。
でもちょっとばらすと、それぞれの人への言葉が、たんに語呂合わせなどではなく、けっこう批評として当たっている、ということだ。
ときどき散文調に転じて、また戻る。しっかり解説になるときもある。その行き来で思いだすのは、彼の戯曲である。自在さと、枠組みへの取り組み。
小沼さんに戯曲を書いてもらったのは、燐光群「Speak low, No tail (tale).」。もう三年前になる。
さて、次の戯曲は、いつになるのかな。
小沼純一さんの新著「ことば よりそう」(論創社)
装幀も素敵だ。
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