オオシマゼミは名前の通り奄美大島発祥のセミだが沖縄ではやんばるにしかいない。と思ったら最近はそうでもないそうだ。どんどん南下して今では沖縄市の登り川付近まで拡がっているという。秋に鳴くセミ、秋が深まるにつれ数を増してくる。十一月辺りがピーク、セミの中で最も遅れて最後まで鳴き続けるセミである。鳴き声はカエルみたいとも言われる。ケン、ケン、あるいは、カン、カン、と聞こえる。オスは「ジジジジ……」の合間に甲高い金属音のような「カーン!」という声。「カンカンカン……」という連続は、「鐘の音を思わせる気品と風格のあるもの」という意見もある。序奏と後奏があり、多くの場合一回ごとに完結するタイプの鳴き方をするが後奏を序奏につなげて何回か続ける鳴き方をすることもあるという。数回鳴いては鳴き移ることも多い。セミとは思えない声だが、その姿は美しい。動作はあまり敏捷ではなく、個体数が多いときには木の幹の低いところにもとまる。だから容易に肉眼で見たが、緑色、部分的には鮮やかなエメラルドグリーンで、宝石細工のようだ。ツクツクボウシに似るが緑がより濃く、腹部背面の青い横線がとても美しい。(撮影・小島曠太郎)……オスプレイが、阻止しようとたたかっていたN4地点に着陸してしまった。オスプレイパッドはさらに拡大されようとしているので工事が終わったわけではないが、難なく着陸してみせて威圧し、こちらの士気を低下させようとしているのだろう。届いたそのオスプレイが上空を横切る最新の記録映像を見て、私が深く魅了されたオオシマゼミの声に、オスプレイの低周波の轟音が重なっているのを聴いた時、あらためて怒りがこみ上げてくる。鳥たちは、虫たちは、生きるため飛ぶ。オスプレイは生きものの暮らし、命を奪うために飛ぶのだ。
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