九尾の狐の物語というのがある。
妖怪めいている。
てっきり那須の殺生石にまつわる伝説かと思ったら、各地に似たような言い伝えがあるらしい。
そもそもは中国起源で、その言い伝えの勢力範囲は東アジア全体に及んでいる。
大体は、絶世の美女に化けて人に害をなすものとして語られる。
日本でも多くの学者文人が言及している。
神獣か妖怪かの議論があるらしい。
しかし一般に美女は魔物である。
人をたぶらかすということにかけては古今東西の別がない。
女は愛嬌である。
整い過ぎた容姿はよろしくない。
飯蛸や二つに割かれ伊万里鉢 素閑
飯蛸に日もなごみけり辛子味噌 素閑
湯に通し飯蛸赤く伸びにけり 素閑
飯蛸の素性も聴かず塩まきて 素閑
飯蛸や艫の幟の南風 素閑
新たなる妻に飯蛸割かせけり 素閑
飯蛸の里山染めて七分咲き 素閑
飯蛸や大凪の灘舟を漕ぎ 素閑
飯蛸や桂の浜の汐けむり 素閑
こひぶみを渡せぬ果ての飯蛸や 素閑
さばさばと世間を渡り飯蛸や 素閑
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