昼のガスパール・オカブ日記

閑人オカブの日常、つらつら思ったことなど。語るもせんなき繰り言を俳句を交えて独吟。

飯蛸

2019-02-27 16:04:18 | 俳句

九尾の狐の物語というのがある。
妖怪めいている。
てっきり那須の殺生石にまつわる伝説かと思ったら、各地に似たような言い伝えがあるらしい。
そもそもは中国起源で、その言い伝えの勢力範囲は東アジア全体に及んでいる。
大体は、絶世の美女に化けて人に害をなすものとして語られる。
日本でも多くの学者文人が言及している。
神獣か妖怪かの議論があるらしい。
しかし一般に美女は魔物である。
人をたぶらかすということにかけては古今東西の別がない。
女は愛嬌である。
整い過ぎた容姿はよろしくない。

飯蛸や二つに割かれ伊万里鉢   素閑

飯蛸に日もなごみけり辛子味噌   素閑

湯に通し飯蛸赤く伸びにけり   素閑

飯蛸の素性も聴かず塩まきて   素閑

飯蛸や艫の幟の南風   素閑

新たなる妻に飯蛸割かせけり   素閑

飯蛸の里山染めて七分咲き   素閑

飯蛸や大凪の灘舟を漕ぎ   素閑

飯蛸や桂の浜の汐けむり   素閑

こひぶみを渡せぬ果ての飯蛸や   素閑

さばさばと世間を渡り飯蛸や   素閑


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