今日は9月1日。
通常の学校では、2学期の始業日であるとともに、関東大震災があった日である。
この災害は、死者・行方不明者10万人という大災害で、今でも語り継がれ、防災の教訓とされている。
そういえば、今日は「防災の日」に指定されていたのではなかったか?
しかし、もはや100年以上が経ち、直接この災害を体験した人もほとんどいなくなってしまっただろう?
オカブは祖母から、この震災の体験を聞いた。
この婆さんは、96歳で亡くなる直前まで頭も口も達者で、劇場で出くわした海部俊樹元首相を「アンタも頑張りなさいよ」呼ばわりした武勇伝を持つ。
もちろん近所では名物婆で通っていたが、少し駄法螺を吹く癖がある。
祖母は震災当時、横浜の方に住んでいたらしいが「地面が波打つように揺れた」とか「地割れに人が落ち込んで、また地割れが閉じて人は押し潰された」とか映画のワンシーンを観ているようなことを言う。
大方、戦後にテレビができて、テレビで見た映画のシーンを自分の体験と重ね合わせたものだろう。
本所の被服廠の惨劇についても「死体に潜り込んだ人は助かった」などと、まるで見てきたように語るのには閉口した。
東北大震災の復興がままならないまま、再び首都直下型地震の危機に曝されている東京住人だが、こればかりは一人で悩んでいてもどうすることもできない。
『災難に遭う時節には災難に遭うがよく候。死ぬる時節には死ぬがよく候。これ災難を逃れる妙法にて候』という良寛の心境でいるのが、一番いいのかもしれない。
ツリーをば隠す雲なり震災忌 素閑
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