モクズガニを秋田では川ガニと言います。
モクズガニは、毛の生えた大きなハサミが特徴的な淡水カニで、日本全国に生息しています。地方によって呼び名が異なることから、地域色豊かな生き物としても知られています。
モクズガニの外見と生態
モクズガニの体色は黒褐色で、腹部はクリーム色です。成体の甲幅は最大で7〜8cmに達し、しっかりとした存在感を放ちます。特にハサミは毛に覆われており、その様子が手袋のように見えることから、英語では「ミトンクラブ(mitten crab)」と呼ばれます。この毛は、滑りやすい獲物をしっかり掴むのに役立ち、餌を効率よく捕まえるための重要な特徴です。
モクズガニの寿命は一般的に3〜5年で、繁殖を終えるとその生涯を終えることが多いです。また、モクズガニは淡水と海水の両方で生息できる稀なカニであり、幼生期は海で過ごし、成体になると川に遡上し、繁殖期には再び海に戻るという回遊性を持っています。そのため、海水と淡水の浸透圧を巧みに調整できる優れた生態を持っています。
**サワガニとの違い**
モクズガニは淡水と海水の両方で生息できるため、完全に淡水で生活するサワガニとは異なりますが、アクアリウムでも飼育可能です。そのため、モクズガニはじわじわとペットとしての人気も高まっています。
**食用としてのモクズガニ**
モクズガニは日本では古くから食用として親しまれてきました。同属の『シャンハイガニ』は特に有名で、グルメなカニとしても知られています。
**地方ごとの呼び名**
モクズガニは、各地で異なる呼び名で親しまれていることでも知られています。以下は代表的な呼び名です。
- **ズガニ**:伊豆地方
- **ヤマタロウ**:宮崎県
- **ツガニ**:関西地方(四万十川や仁淀川など)
- **ヒゲガニ**:徳島県
- **モクゾウガニ**:千葉県
河川に生息し、毛の生えたハサミを持つことから、これらの呼び名が生まれたようです。
**モクズガニの入手方法**
モクズガニは、仕掛けを使って採取するには漁業権を購入する必要があります。蟹籠に餌をセットして川に投入します。自分は子吉川内水面漁業組合員なので、蟹籠で春と秋に川ガニ漁を行っています。
たった一つのかごですが、一晩で20匹から30匹も入ります。よって,常に場所を変えて漁をしています。
孫たちはズワイガニや本物の毛蟹の美味しさが分からないので,カニイコール川ガニだと思っているみたいです。
ちなみに餌は鳥ガラがベストです。