アウトドア用のコンロ(ストーブ)の燃料は、かつてガソリンが主流でしたが、現在では手軽に使えるガスカートリッジ(ガス缶)が主流となっています。ガスカートリッジはねじ込み式が一般的で、カートリッジに切られた溝にコンロ部分をねじ込んでセットする仕組みです。しかし、複数のメーカーが製品を発売しているものの、メーカー間で互換性がないため、利用者は同じメーカーのカートリッジを使い続ける必要があり、コンロ選びに頭を悩ませることが多かったのです。
各メーカーは、カートリッジに独自のデザインやカラーリングを施し、一目でどのメーカーの製品か分かるようにしていました。そんな中、ひときわ異質な存在として登場したのが、青いカートリッジの「キャンピングガス(Campingaz)」です。
フランス生まれの「キャンピングガス」
キャンピングガスは、1946年にフランスで誕生しました。このブランドの特徴は、ねじ込み式ではなく、カートリッジにコンロを差し込むタイプの商品が多かった点です。約30年前までは日本でも広く流通しており、特に釣りや登山といったアウトドアアクティビティの愛好家に親しまれていました。
しかし、複数の接続タイプが存在したことや、他メーカーと比べて製品が割高だったことから、徐々に市場シェアを失い、現在では日本でのコンロ部分の販売は行われていません。
現在、日本でキャンピングガスのガスカートリッジを販売しているのはコールマンジャパン株式会社のみです。1996年に総発売元として取り扱いを開始しましたが、一時期販売が中止された時期もありました。現在も限られた種類のカートリッジが販売されていますが、今後どれだけ長く利用可能かは不透明な状況です。というか近所でキャンガスを置いているところはありません。
現在、アウトドアシーンでキャンピングガスを見る機会はほとんどありません。販売されているのは主にガス式のトーチで、作業現場で利用されることが多いようです。ちなみに40年来、今も自分はトーチを使っています。
当初キャンピングガスのガスコンロは他の製品に比べて安価だったこともあって、手軽だったので,自分の登山シーンでは必須でした。ただ、時期にプリムスのバーナーに換えてしまいました。
ただ、ザックから青いカートリッジを取り出し、調理してあの頃を偲んでみたりもしています。
キャンピングガスは、特に釣具店で見かけた印象が強いという声もありました。登山やキャンプよりも釣り人が多く使っていました。釣具屋で店頭の棚の下段に、乱雑に置かれた青い缶はとてもチープでした。
マニアックな存在としての魅力
ただ製品としての性能に問題はなかったものの、ガスカートリッジの入手のしやすさが重要視されるガス式コンロの中で、キャンピングガスはマニアックでわかりにくい存在とされていました。というかOD缶に駆逐された感があります。
それでも、錆びて使い込まれたシングルバーナーに火をつけるとどこか嬉しい気持ちになるものです。「ちゃんと使えるからこそ現役で活躍している」その姿には、65の自分に置き換えたりします。
青いガス缶「キャンピングガス」。問題はカートリッジなんです。びゅう
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます