毎年、母の日にはプリザーブドフラワーを送っていた。それでいいと思っていた。
しかし、先月父が入院し、退院後も酸素ボンベが手放せないとわかってからは、「なるべく会いに行こう」と考えるようになった。母の日はうってつけの口実になる。
「行くからにはカーネーションがいるよね」
大宮駅で新幹線に乗る前に花屋を探した。たしか、改札付近にあるはず……あった、あった。
「甘いものもほしいよね」
とらやの羊かんは前日に池袋で買っておいた。でも、父が食べられるかどうかはわからない。
「プリンなら大丈夫かも」
大宮エキュートは優秀だ。美味しそうなプリンがいくつも見つかり、どれにしようか悩んだ。
父の世話や家事で毎日クタクタの母に休んでもらいたくて、「私がお昼を用意するから一緒に食べようよ」と伝えたのが一週間前。病み上がりの父にごちそうはいらない。ロールキャベツと野菜の煮物、焼き茄子を作り、主食はエキュート内のおこわを購入した。
「しまった、汁物がないや」
インスタントの味噌汁を買うのを忘れていた。まあよい。即席で何か作ればいいか。
那須塩原駅からタクシーで20分。11時には両親に会えた。
「こんにちは~」
「いらっしゃい、よく来たね」
大学4年の娘も同行したから、早速、母から誕生日プレゼントが手渡される。
「はい、ミキ。遅くなったけど誕生日おめでとう」
「わーい、ありがとう」
父も顔を見せた。入院中よりもふっくらとして顔色もいい。医師からも「よくなっている」と言われたそうだ。30分ほど話したあと、すぐに食事の準備を始めた。そうしないと、帰りの新幹線に間に合わないのだ。
「お隣さんからトマトをたくさんもらってね、スープを作ったのよ」
「えー、タイムリー!」
なんと、ないはずの汁物ができていた。頼まなくても必要なものがあるなんて、やっぱり親子だなぁと感じた。

左側には父がいる。全員が席に着くまで待てず、すでに箸を持って食べ始めていたので、写真はカット。
ロールキャベツは好物らしく、食が細い割には全部平らげていた。娘と孫が来たから、いい刺激になったようだ。残念ながら、煮物は残されてしまった。
「プリン食べよう、プリン」

父はすでに満腹で食べられない。私たちが「美味しい」と話しながら食べるのを見て、おやつにすると言っていた。高齢者は、大勢で食事するのがいいのだろう。一人では、ますます食欲をなくす。
「じゃあ、またね」
「バイバイ」
短時間の滞在で帰宅すると、リビングのテーブルには、ピンクのカーネーションが飾られていた。留守番していた夫が買ってきたらしい。
娘からは一輪挿しをもらった。2人で相談したわけでもないのに、ピタッと息が合っている。

「ありがとう!!」
夫と娘に礼を言い、一人でニヤニヤと花瓶を眺めた。母の日っていいなぁ。
そうだ、無事家に着いたことを母に知らせなくては。スマホを取り出し、母にメールを送ると、まもなく返事が返ってきた。
「、お疲れ様。無事に着いてよかったね。今日はとっても楽しい母の日になりました。色々気づかいありがとう」
私は冒頭の「、」が気になった。何で句読点から始まるんだろう???
「これが、おかんメールか」と苦笑いしつつ、充実したいい一日に想いを馳せた。
今後、両親とのランチは母の日の恒例行事にしたい。

↑
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※ 他にもこんなブログやってます。よろしければご覧になってください!
「いとをかし~笹木砂希~」(エッセイ)
「うつろひ~笹木砂希~」(日記)
しかし、先月父が入院し、退院後も酸素ボンベが手放せないとわかってからは、「なるべく会いに行こう」と考えるようになった。母の日はうってつけの口実になる。
「行くからにはカーネーションがいるよね」
大宮駅で新幹線に乗る前に花屋を探した。たしか、改札付近にあるはず……あった、あった。
「甘いものもほしいよね」
とらやの羊かんは前日に池袋で買っておいた。でも、父が食べられるかどうかはわからない。
「プリンなら大丈夫かも」
大宮エキュートは優秀だ。美味しそうなプリンがいくつも見つかり、どれにしようか悩んだ。
父の世話や家事で毎日クタクタの母に休んでもらいたくて、「私がお昼を用意するから一緒に食べようよ」と伝えたのが一週間前。病み上がりの父にごちそうはいらない。ロールキャベツと野菜の煮物、焼き茄子を作り、主食はエキュート内のおこわを購入した。
「しまった、汁物がないや」
インスタントの味噌汁を買うのを忘れていた。まあよい。即席で何か作ればいいか。
那須塩原駅からタクシーで20分。11時には両親に会えた。
「こんにちは~」
「いらっしゃい、よく来たね」
大学4年の娘も同行したから、早速、母から誕生日プレゼントが手渡される。
「はい、ミキ。遅くなったけど誕生日おめでとう」
「わーい、ありがとう」
父も顔を見せた。入院中よりもふっくらとして顔色もいい。医師からも「よくなっている」と言われたそうだ。30分ほど話したあと、すぐに食事の準備を始めた。そうしないと、帰りの新幹線に間に合わないのだ。
「お隣さんからトマトをたくさんもらってね、スープを作ったのよ」
「えー、タイムリー!」
なんと、ないはずの汁物ができていた。頼まなくても必要なものがあるなんて、やっぱり親子だなぁと感じた。

左側には父がいる。全員が席に着くまで待てず、すでに箸を持って食べ始めていたので、写真はカット。
ロールキャベツは好物らしく、食が細い割には全部平らげていた。娘と孫が来たから、いい刺激になったようだ。残念ながら、煮物は残されてしまった。
「プリン食べよう、プリン」

父はすでに満腹で食べられない。私たちが「美味しい」と話しながら食べるのを見て、おやつにすると言っていた。高齢者は、大勢で食事するのがいいのだろう。一人では、ますます食欲をなくす。
「じゃあ、またね」
「バイバイ」
短時間の滞在で帰宅すると、リビングのテーブルには、ピンクのカーネーションが飾られていた。留守番していた夫が買ってきたらしい。
娘からは一輪挿しをもらった。2人で相談したわけでもないのに、ピタッと息が合っている。

「ありがとう!!」
夫と娘に礼を言い、一人でニヤニヤと花瓶を眺めた。母の日っていいなぁ。
そうだ、無事家に着いたことを母に知らせなくては。スマホを取り出し、母にメールを送ると、まもなく返事が返ってきた。
「、お疲れ様。無事に着いてよかったね。今日はとっても楽しい母の日になりました。色々気づかいありがとう」
私は冒頭の「、」が気になった。何で句読点から始まるんだろう???
「これが、おかんメールか」と苦笑いしつつ、充実したいい一日に想いを馳せた。
今後、両親とのランチは母の日の恒例行事にしたい。

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「いとをかし~笹木砂希~」(エッセイ)
「うつろひ~笹木砂希~」(日記)
花に合った花瓶、花瓶に合った花といいますか、長く家族をやっていると以心伝心ということかな…
お嬢さんはどこに行くにもくっ付いて行ってますね(笑)
我が家もそんな感じでしたが今は離れ離れになってホッとしているところです。
メールの「、」は俳句で言うところの切れでしょうね、お母上様はよく」心得ていらっしゃいます。
お母様に会えていないんですか?
純さんはよくても、あちらは淋しがっていると思いますよ。
ぜひ、行かれてください。
父がロールキャベツを平らげてくれて安心しました。
肉が食べたかったようです。
妻ではなく娘が作った料理というのも新鮮だったのかしら。
一応、高齢者なりに気を使ったようです。
一輪挿しはヒットでしょっ!
そうですね、長年一緒にいると息が合うのかも。
でも、私と夫は違うんですよ。
2人して同じものを用意したり、2人とも用意していなかったりして、他人でしかない(笑)
娘は土日にバイトを入れないようにしています。
一時は週5日くらい働いていたのに、扶養から外れたら悪いと思ったのかも。
結果、またあちこちについてくるようになりました。
来年こそ子離れ、親離れしますよ。
以心伝心でスープ、さすが母子。
そして、ダンナ様とミキちゃん。
同じく、ナイスです。
いえいえ、ごちそうではなく粗食なのです。
父に合わせると消化のよいメニューになります。
スープを作ってくれたことには驚きました。
何でわかったの? って感じ(笑)
うれしいプレゼントは、価格じゃないんですよね。
欲しいものを察知してくれたときが一番♪
こちらも、よい母の日になりました。
手紙が来る、荷物が届く、人が来る、いつもと違う味、違う色味の食事を違う人と食べる
すべてが生きている実感に直結するような感覚を見て取ると、足しげく行かねば…と思います。
でも、秋田は那須より遠い…
砂希さんはいつも親孝行で偉いです。
見習わなければ!
そうですね、高齢者のルーティンにないイベントが、生活を楽しいものに変えるような気がします。
しかも、当日だけでなく、何日も前から楽しみにしてくれますから、こちらの張りになるというもの。
また、夏にはいらっしゃるのでしょうね。
たしか、お車で行かれていたと思いましたが、日帰りできる距離ではないから一大イベントではありませんか。
今日は母と墓参りに行ってきました。
那須から日帰りで高尾まで。
ギリギリです(笑)