デジカメを整理していたら、1カ月前に撮った写真を見つけた。庭の木にとまり、「ギャオ」「ギャオ」と大きな声で鳴いていたカラスである。
どうやら、まだ子供らしく、体が小さい上に警戒心がない。飛ぶのが下手なのか、大きな物音がすると葉の陰に隠れて様子を伺っている。
普通だったら、飛んで逃げるだろ……。
私は苦笑した。このカラスは、あきらかに飛ぶことをためらっているようだ。羽を広げたと思えば、下を向いてやめ、枝の上をウロウロと行ったり来たりしている。
親が近くにいるのだろうか。首を伸ばしてキョロキョロと探すような仕草が可愛い。
ときおり、口をパカッと開けて、エサをねだっている感じに見える。
もし、手の届くような位置だったら、生肉でもあげたのに。子供は得だ。
30分ほどたつと、ようやく子カラスにも「飛ぶ決意」が感じられてきた。まるで、スタート前の陸上選手みたいに、緊張感が漂っている。「さあ、行くぞ、行くぞ」と勇気を奮い立たせているのかもしれない。キッと口を閉じ、首を前後に揺らしつつ、目は一点を見つめている。
予想通り、子ガラスは、両羽を大きく広げると、枝から足を離し、元気一杯に羽ばたいた。
しかし、次の瞬間、落ちるように急降下し、ほうほうの体で別の木に突っ込んでいった。
大丈夫かいな……。
私はハラハラしながら、子ガラスが顔を出すのを待った。だが、一向に姿を見せない。もはや、追跡不能らしい。陰ながら、カラスが一人前になれることを祈ろう。
子供のカラスは、応援したくなるほど愛らしいのに、大人のカラスには可愛げがない。
まだ娘が生まれていなかった頃、夫と2人でドライブに出かけたことがあった。駐車場から車を出そうと、夫が方向転換をしていたときだ。晴れているのに、突然、屋根から「ドシャドシャ、バラバラ」と激しい雨音がした。
私も夫も顔を見合わせ、不審な音に動きを止めた。
「なに? なに?」
「にわか雨か?」
すぐに音はやみ、「カアー、カアー」という間の抜けた鳴き声がした。
いやな予感がしてドアを開けると……。案の定、局地的豪雨状態となって降り注いだカラスの大量のフンが、パジェロロングボディーの屋根を汚していた。
「あああああーーーっ!!!」
あのときの、卒倒しそうな光景は忘れられない。
巣立ったばかりのちびっ子も、やがては憎たらしいカラスになっていくのだろうか。
いや、あのカラスには無理だろう。フンをかけようとしても、目測を誤り、見事に外しそうな気がする。さらには、よそ見をしたがために、ビルにぶつかったりして……。
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※ 他にもこんなブログやってます。よろしければご覧になってください!
「いとをかし~笹木砂希~」(エッセイ)
「うつろひ~笹木砂希~」(日記)
どうやら、まだ子供らしく、体が小さい上に警戒心がない。飛ぶのが下手なのか、大きな物音がすると葉の陰に隠れて様子を伺っている。
普通だったら、飛んで逃げるだろ……。
私は苦笑した。このカラスは、あきらかに飛ぶことをためらっているようだ。羽を広げたと思えば、下を向いてやめ、枝の上をウロウロと行ったり来たりしている。
親が近くにいるのだろうか。首を伸ばしてキョロキョロと探すような仕草が可愛い。
ときおり、口をパカッと開けて、エサをねだっている感じに見える。
もし、手の届くような位置だったら、生肉でもあげたのに。子供は得だ。
30分ほどたつと、ようやく子カラスにも「飛ぶ決意」が感じられてきた。まるで、スタート前の陸上選手みたいに、緊張感が漂っている。「さあ、行くぞ、行くぞ」と勇気を奮い立たせているのかもしれない。キッと口を閉じ、首を前後に揺らしつつ、目は一点を見つめている。
予想通り、子ガラスは、両羽を大きく広げると、枝から足を離し、元気一杯に羽ばたいた。
しかし、次の瞬間、落ちるように急降下し、ほうほうの体で別の木に突っ込んでいった。
大丈夫かいな……。
私はハラハラしながら、子ガラスが顔を出すのを待った。だが、一向に姿を見せない。もはや、追跡不能らしい。陰ながら、カラスが一人前になれることを祈ろう。
子供のカラスは、応援したくなるほど愛らしいのに、大人のカラスには可愛げがない。
まだ娘が生まれていなかった頃、夫と2人でドライブに出かけたことがあった。駐車場から車を出そうと、夫が方向転換をしていたときだ。晴れているのに、突然、屋根から「ドシャドシャ、バラバラ」と激しい雨音がした。
私も夫も顔を見合わせ、不審な音に動きを止めた。
「なに? なに?」
「にわか雨か?」
すぐに音はやみ、「カアー、カアー」という間の抜けた鳴き声がした。
いやな予感がしてドアを開けると……。案の定、局地的豪雨状態となって降り注いだカラスの大量のフンが、パジェロロングボディーの屋根を汚していた。
「あああああーーーっ!!!」
あのときの、卒倒しそうな光景は忘れられない。
巣立ったばかりのちびっ子も、やがては憎たらしいカラスになっていくのだろうか。
いや、あのカラスには無理だろう。フンをかけようとしても、目測を誤り、見事に外しそうな気がする。さらには、よそ見をしたがために、ビルにぶつかったりして……。
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「いとをかし~笹木砂希~」(エッセイ)
「うつろひ~笹木砂希~」(日記)
私の場合はほとんど事務所の近所で飼っているハトでしたが、
ハトのウンコはなかなか取れなくて難儀しましたよ。
カラスのデビュー時期は今頃なんでしょうかね。(*^・^*)チュッ♪
そちらもでしたか~!
まったく驚きましたよ。
そのあと、フンをベッタリつけたままドライブしてきました(笑)
傍からは「ちゃんと掃除しとけよ」と思われるでしょうねぇ。
カラスのフンは、量が半端じゃなかったです。
何羽かつるんで来たんでしょうか。
カラスは6月が育児と巣立ちのときのようですね。
今は閑古鳥が鳴いています。
平和になったというべきか。
どうやら子供のカラスがいるらしく親カラスは殺気だっていて人の頭目掛けて襲ってきてました。親でも子供でもからすはあんまり好きではないですよ。
それはまた、難儀なことでしたね。
子育て中のカラスは、攻撃的になると聞いたことがあります。
こちらのカラスは、やたらとうるさかったですよ。
朝から日暮れまで「カーカー」言ってましたから。
このドジなチビカラスには愛嬌がありました。
珍しいタイプだったのかもしれませんね。
小さい甥を見ていると、「これだけ皆に可愛がられているんだから、まさか将来グレたりしないだろう」なんて単純に思うけど、途中で何か悪い転機があって、もしかしたら史上最悪の犯罪者にならないとも限らないしねぇ。
烏を飼うとなつくらしいよ。何しろ賢いから、何か芸を覚えそう。
私もよく「子供の頃は可愛かったのに」と母になじられたかな~。
智恵がつくと、反抗するようになるしね。
娘も1歳くらいのときが一番可愛かったかしら。
今じゃ「このガキャ~」と思うこともしばしば…。
犯罪者は、どんな幼少期を送るものなんだろう。
愛情を受けて大事にされても、犯罪に手を染めるものなのかしらね。
したっけ。
もし、手の届くところにいて生肉なんぞやろーもんならエライこっちゃ( ̄~ ̄)ξ
毎日毎日ギャーギャー言ってカラスが増えてヒッチコックの「鳥」になんぞなったら…
気持ちだけ受け取っておきます…って俺はカラスか~(笑)
それは怖いですね。
凶暴なカラスも、子を思う気持ちは人間と同じようです。
仲間意識も強いようですし。
もし、幼鳥が飛んでいかなかったら、いつまでも騒いでいたかもしれません。
お気をつけて。
生肉をあげていたら、このエッセイの結末が変わっていたかもね。
カラスは雑食だから、何でも食べるんでしょ?
チョコレートはもったいなくてあげられないわっ!
あと、キラキラ光るものが好きなんだってね。
ビー玉や金ぴかのものを持っていくと聞いたよ。
一度、カラスのコレクションを見てみたい…。