鳥取砂丘は広大な砂の海である。
エキゾチックで幻想的な写真を見て、ずっと「一度は行ってみたい」と感じていた。だが、砂漠ではなく砂丘という名の通り、思いの外アップダウンの激しい場所だった。
「砂丘会館で長ぐつを借りよう」
スニーカーなどでは、靴の中に砂が入ってしまうそうだ。また、夏場は砂が60度まで上がり熱くなるので、サンダルはもってのほかとWebページに書いてあった。まったくファッショナブルではないけれど、ここは素直に長ぐつを履こう。
給食のオバちゃんみたい……。
インフォメーションで地図をもらうと、砂丘のてっぺんとなる馬の背までの道が載っていた。最短距離で行くコースは、急な傾斜を真っ直ぐに進むため、「ヒイヒイハアハアコース」との名がつけられていた。
これはちょっと……。
代わりに、60分かけてグルッと一周する「おすすめコース」を歩くことにした。歩く距離は長くなるが、高低差は小さいので疲れないと思ったからだ。
「あれだ」
階段を上り切ると砂丘が見える。
早く行きたいのは山々だが、焦らず右に進み緑地帯を歩く。
「あ、バッタ」
草の間から、何匹ものバッタが飛び出してきた。少し前に話題になった『バッタを倒しにアフリカへ』に出てくる、サバクトビバッタではなさそうだ。
バッタは体の色を変えられるそうだから、砂に同化してこんな色をしているのかもしれない。
緑はすぐになくなり、砂、砂、砂のエリアが待っていた。右足を踏み入れると「ズブズブ」と沈み込み、左足の番になっても「ズブズブ」と潜っていく。「よっこらしょ」と砂から足を引っこ抜き、また同じことを繰り返す。ただでさえ長ぐつが重いから、平地を歩くよりもずっと疲れる。
まもなく、夫が悲鳴を上げた。
「ダメだ、もう膝が痛い」
奴は若い時分に膝の手術をしているせいか、悪路と寒さにはめっぽう弱い。これから引き返し、砂丘会館で休憩すると宣言した。
「しょうがない。2人で行こう」
私と娘はすこぶる元気である。足の下から逃げようとする砂にすべり、邪魔されても馬の背を目指した。
日本海も見える。
景色を楽しみながら登れば、馬の背には難なく着く。ここは結構混雑していた。「せっかく登ったのだから、もう少しいたい」と誰もが考えるからだろう。
風が吹き、砂丘に「風紋」のできる場所がある。馬の背から米子寄りに進むと、ほとんど人がいなかった。トンビの家族が4羽で仲良く遊んでいただけで、ほぼ貸切の風紋を堪能できたことがうれしい。
足跡もつけちゃった~!
最後はラクダに乗る。エイキチくんというヒトコブラクダだった。かなりの高さから、ズン、ズンと歩く振動が伝わってくる。大人に肩車されているような目の位置なので、高所恐怖症の人には厳しいかもしれない。
水は持っていたが、とにかく喉が渇いた。
砂丘会館に戻ると、ダッシュで梨ジュースを買い、一気に飲み干した。これがまた美味しい。
「俺は梨ソフトを食べて待ってた」
「はあ?」
私たちはジュースだけだったのに、キイ~!
砂丘では、パラグライダーやサンドボードなども体験できるそうだ。
また来る機会があれば、チャレンジしたい。
↑
クリックしてくださるとウレシイです♪
※ 他にもこんなブログやってます。よろしければご覧になってください!
「いとをかし~笹木砂希~」(エッセイ)
「うつろひ~笹木砂希~」(日記)
エキゾチックで幻想的な写真を見て、ずっと「一度は行ってみたい」と感じていた。だが、砂漠ではなく砂丘という名の通り、思いの外アップダウンの激しい場所だった。
「砂丘会館で長ぐつを借りよう」
スニーカーなどでは、靴の中に砂が入ってしまうそうだ。また、夏場は砂が60度まで上がり熱くなるので、サンダルはもってのほかとWebページに書いてあった。まったくファッショナブルではないけれど、ここは素直に長ぐつを履こう。
給食のオバちゃんみたい……。
インフォメーションで地図をもらうと、砂丘のてっぺんとなる馬の背までの道が載っていた。最短距離で行くコースは、急な傾斜を真っ直ぐに進むため、「ヒイヒイハアハアコース」との名がつけられていた。
これはちょっと……。
代わりに、60分かけてグルッと一周する「おすすめコース」を歩くことにした。歩く距離は長くなるが、高低差は小さいので疲れないと思ったからだ。
「あれだ」
階段を上り切ると砂丘が見える。
早く行きたいのは山々だが、焦らず右に進み緑地帯を歩く。
「あ、バッタ」
草の間から、何匹ものバッタが飛び出してきた。少し前に話題になった『バッタを倒しにアフリカへ』に出てくる、サバクトビバッタではなさそうだ。
バッタは体の色を変えられるそうだから、砂に同化してこんな色をしているのかもしれない。
緑はすぐになくなり、砂、砂、砂のエリアが待っていた。右足を踏み入れると「ズブズブ」と沈み込み、左足の番になっても「ズブズブ」と潜っていく。「よっこらしょ」と砂から足を引っこ抜き、また同じことを繰り返す。ただでさえ長ぐつが重いから、平地を歩くよりもずっと疲れる。
まもなく、夫が悲鳴を上げた。
「ダメだ、もう膝が痛い」
奴は若い時分に膝の手術をしているせいか、悪路と寒さにはめっぽう弱い。これから引き返し、砂丘会館で休憩すると宣言した。
「しょうがない。2人で行こう」
私と娘はすこぶる元気である。足の下から逃げようとする砂にすべり、邪魔されても馬の背を目指した。
日本海も見える。
景色を楽しみながら登れば、馬の背には難なく着く。ここは結構混雑していた。「せっかく登ったのだから、もう少しいたい」と誰もが考えるからだろう。
風が吹き、砂丘に「風紋」のできる場所がある。馬の背から米子寄りに進むと、ほとんど人がいなかった。トンビの家族が4羽で仲良く遊んでいただけで、ほぼ貸切の風紋を堪能できたことがうれしい。
足跡もつけちゃった~!
最後はラクダに乗る。エイキチくんというヒトコブラクダだった。かなりの高さから、ズン、ズンと歩く振動が伝わってくる。大人に肩車されているような目の位置なので、高所恐怖症の人には厳しいかもしれない。
水は持っていたが、とにかく喉が渇いた。
砂丘会館に戻ると、ダッシュで梨ジュースを買い、一気に飲み干した。これがまた美味しい。
「俺は梨ソフトを食べて待ってた」
「はあ?」
私たちはジュースだけだったのに、キイ~!
砂丘では、パラグライダーやサンドボードなども体験できるそうだ。
また来る機会があれば、チャレンジしたい。
↑
クリックしてくださるとウレシイです♪
※ 他にもこんなブログやってます。よろしければご覧になってください!
「いとをかし~笹木砂希~」(エッセイ)
「うつろひ~笹木砂希~」(日記)
今回は梨の購入を見送りました。
時間がなかったんです。
あと、店にたどり着けなかったからかも。
もっと、いろいろな場所で売っていたらよかったのに。
ですから、梨ジュースは貴重でしたよ。
ラクダは目立たない場所で商売していました。
ちょっと探しちゃった。
純さんは二十世紀が好きなんですね。
私は豊水か幸水かなぁ。
さて、明日はスーパーで買った梨を食べよう(笑)
素敵な写真ですね。そう言えば私は鳥取砂丘には行ったことがないなぁと考えていたら...
記憶違いで大山に登ったのが23歳の誕生日で、出雲大社を訪れたのは翌年隠岐の島に行った時でした...
こうやって記憶を失い...年を重ねていくのですね
記憶違い?
よくあることですよ。
気にしないのが一番かも。
気にしたところで記憶は戻って来ないし(笑)
隠岐の島に行かれたんですか?
ローソク島には行ってみたかったのですが、行程的に無理でした。
いつか火の灯る景色を見たいです。
ラクダにも乗れるんですね。一度は乗ってみたいです。
砂丘は予想以上に手強い場所でした。
疲れるから行かないのかも……。
でも、話のタネに一度は行きたいですね。
秋や春がいいのかもしれません。
夏は暑かった~!
高知は行ったけれど、より近い両県はまだ。
砂丘を一番楽しめ、快適に歩けるのは、いつの季節でしょうね。
なかなか旅行できないので、ベストの時期に、ぜひ行きたいものです。
ベストシーズンが夏でないことは間違いないでしょう。
暑い、とにかく暑い!
かといって、冬も厳しそうです。
春か秋がよさそうですね。
パラグライダーに挑戦したかったのに、夏場は早朝か夕方しかやらないようです。
暑すぎて無理(笑)
11月には急きょ奈良に行くことにしました♪
鳥取砂丘しかないと思い込んでいました。
もっと大きな砂丘があるなら見てみたいです。
高低差がなければ夫は引き返さずにすんだのに。
元気じゃない人には厳しいですね。
駅からも空港からも比較的近いし、商圏として条件がよさそうです。
あこぎな商売もまかり通っていましたが。