7月20日は土用の丑の日であった。数日前に気づき、にわかに落ち着かなくなる。
「うなぎ食べなきゃ、うなぎ、うなぎ」
うなぎは大好物である。甘辛のタレや、やわらかくて舌触りのよい身には、食べる人を夢中にさせる麻薬が入っているのではと疑うくらいだ。もし絶滅してしまったら、ショックで私も生きていられないかもしれない。スーパー等で必要以上に仕入れ、大量の売れ残りを発生させるシステムは直ちに改善していただきたい。
土用の丑の日に「う」のつくものを食べると夏バテしないと言われているようだが、ウインナーやうどんでは説得力もありがたみもない。ここはやはり、うなぎでなければならないのだ。
しかし、今年は手帳を見て、胸に大きな杭を打ち込まれたかのような衝撃を受けた。20日はすでに、職場の「1学期お疲れ様会」という飲み会の予定が入っているではないか。
「しまった! 参加に○をつけちまった!」
今年は2の丑が8月1日にある。仕方ない、1の丑は諦めようと下を向いた瞬間、いいアイデアが浮かんできた。
「そうだ、弁当にうなぎを入れるという手があるぞ」
全面にご飯を敷き詰めては面白くない。3分の1はフルーツや副菜にして、3分の2は白いご飯に甘辛のタレをかけ、やわらかくてとろけそうな蒲焼きを載せたら美味しいだろうな……。
「ふふふ」
急にうれしくなってきた。今だったら、「給料明細が間違っていたから返還してくれ」と言われても、笑って許せるに違いない。うなぎ、うなぎ、うな~ぎ!
「1人分ってわけにもいかないよね」
前日の19日に自分の分だけ買うのは卑怯だから、夫の分も買ってやろうとメールをした。だが、数分後の返信は、まったくの想定外であった。
「明日はママが飲み会だから、うなぎは今日にしました。もう買ってあります」
え? そんなのってアリ?
土用の丑の日の前日に、うなぎを食べる意味があるのか。大晦日に、「新年あけましておめでとう」と祝うことに近いだろう。まったく、夫の感覚は理解しがたい。
……でも、目の前にうな丼が出てきたら、ありがたくいただいちゃったけれど。
2の丑でリベンジしようと思ったのだが、よくよく考えてみたら、この日はクラブ合宿の引率で帰って来られない。今年は変テコなうなぎの食べ方になってしまった。
「くうう~」
来年こそ、セオリー通りにいただきたい。
コンビニでも、うなぎ商戦たけなわだ。
写真で見る限り、ローソンのうなぎが一番美味しそうかな?
↑
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※ 他にもこんなブログやってます。よろしければご覧になってください!
「いとをかし~笹木砂希~」(エッセイ)
「うつろひ~笹木砂希~」(日記)
「うなぎ食べなきゃ、うなぎ、うなぎ」
うなぎは大好物である。甘辛のタレや、やわらかくて舌触りのよい身には、食べる人を夢中にさせる麻薬が入っているのではと疑うくらいだ。もし絶滅してしまったら、ショックで私も生きていられないかもしれない。スーパー等で必要以上に仕入れ、大量の売れ残りを発生させるシステムは直ちに改善していただきたい。
土用の丑の日に「う」のつくものを食べると夏バテしないと言われているようだが、ウインナーやうどんでは説得力もありがたみもない。ここはやはり、うなぎでなければならないのだ。
しかし、今年は手帳を見て、胸に大きな杭を打ち込まれたかのような衝撃を受けた。20日はすでに、職場の「1学期お疲れ様会」という飲み会の予定が入っているではないか。
「しまった! 参加に○をつけちまった!」
今年は2の丑が8月1日にある。仕方ない、1の丑は諦めようと下を向いた瞬間、いいアイデアが浮かんできた。
「そうだ、弁当にうなぎを入れるという手があるぞ」
全面にご飯を敷き詰めては面白くない。3分の1はフルーツや副菜にして、3分の2は白いご飯に甘辛のタレをかけ、やわらかくてとろけそうな蒲焼きを載せたら美味しいだろうな……。
「ふふふ」
急にうれしくなってきた。今だったら、「給料明細が間違っていたから返還してくれ」と言われても、笑って許せるに違いない。うなぎ、うなぎ、うな~ぎ!
「1人分ってわけにもいかないよね」
前日の19日に自分の分だけ買うのは卑怯だから、夫の分も買ってやろうとメールをした。だが、数分後の返信は、まったくの想定外であった。
「明日はママが飲み会だから、うなぎは今日にしました。もう買ってあります」
え? そんなのってアリ?
土用の丑の日の前日に、うなぎを食べる意味があるのか。大晦日に、「新年あけましておめでとう」と祝うことに近いだろう。まったく、夫の感覚は理解しがたい。
……でも、目の前にうな丼が出てきたら、ありがたくいただいちゃったけれど。
2の丑でリベンジしようと思ったのだが、よくよく考えてみたら、この日はクラブ合宿の引率で帰って来られない。今年は変テコなうなぎの食べ方になってしまった。
「くうう~」
来年こそ、セオリー通りにいただきたい。
コンビニでも、うなぎ商戦たけなわだ。
写真で見る限り、ローソンのうなぎが一番美味しそうかな?
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「いとをかし~笹木砂希~」(エッセイ)
「うつろひ~笹木砂希~」(日記)
そんなにお好きなら、大変なことですね。
私もうなぎは好きですが、苦手なのもあります。
やたらと生臭かったり、土臭かったり。
美味しいのはお値段も張ります。
でも、夏の元気には代えがたい。
今年の土用の丑の日は夫が宴会で留守でした。
しかたがないので「ウナギロールケーキ」なるものを頬張りました。
生協では大隅のうなぎを保護するための寄付金を募っています。
できる限りの支援をしていますよ。
生臭いうなぎは食べたことないな~。
名古屋のひつまぶしは油っこくていけませんでした。
Hikariさんが元気になれるなら、値の張るうなぎだっていいじゃないですか。
「今日の夕飯はうなぎだ」と思うだけでパワーがわいてくるのですから(私は笑)
しかし、日々の元気を支えてくれるのは、やはり蒸しショウガかなぁ……。
甘くて柔らかい身と一緒だと、ご飯も進みます。
乱獲せず無駄をせず、いつまでも土用を楽しみにできるようにしてほしいものです。
恵方巻きのような無駄三昧は、絶対止めてほしい!
おっしゃる通りです。
まったく、日本人の資源感覚はわかりませんね。
諸外国が漁獲量を伸ばす中で、日本が減少傾向にあるのも乱獲が原因といわれています。
その場で自分の利益さえ確保できれば、あとはどうなっても知らんという気持ちが透けて見えます。
そもそも、値上がりすれば、売上数量が減るはずなのに、たくさん陳列してどうするつもりなのかしら。
来年も再来年も安心してうなぎを食べたいものです。
退院おめでとうございます。
病院で少量の鰻を食べるより、退院して好きなだけ食べた方が楽しいでしょうね。
でも、糖質オーバーしないようにお気をつけて。
鰻の乱獲が気になります。
余らせてはいけません。
足りないくらいがちょうどいいと、なぜわからないんでしょうね。
子供の頃にウナギが食べれなくなるなんて考えもしなかった。中国なんか日本人が好んでいた食材を食べるようになったからかなぁ。同様に中国に抜かれるなんてことも想像しなかったな。
ウナギといえば僕は『5年3組魔法組』という特撮番組を思い出します。ヒロインの女の子のお父さんが病気で体調が悪い時に「思い出のウナギ(のタレ?)を食べたい」という願いを叶えるためにタレを手に入れたのに、友達の男の子が誤ってタレをこぼして、魔女の頭にぶっかけてしまうという話がありました。怒った魔女に男の子は「同じ味のタレを作ってオレにぶっかけてくれ」と言ってタレを手に入れようとするんですが・・・。ウナギは美味しいですよね。なんとか増えていくように人類全体で知恵を出し合い、行動してもらいたいものです。
いつもながら、心機朗さんの記憶力には感心します。
なんでそんな昔のことをおぼえていられるの~?
私はすぐ忘れちゃってダメです。
うなぎのタレまみれの魔女っていうのも笑えますね。
怖い魔女じゃなかったのかしら。
人生は長いと思います。
子どものときは、海外旅行に行かれる日が来るとは思いませんでした。
世界が小さくなった気がします。
こんなに暑くなるとも思わなかったし。