一年生の「こくご」の授業中に、先生が黒板で、
26人の児童に初めてのノートの書き方を指導していた。
その「こくご」ノートには以下のように書かれていた。
「豊かな心を育むノート」
「こくご8マス十字リーダー入り」
「さくら」
…新品ピカピカである…
全てのページ、マス目の上には以下の印刷があった。
「 がつ にち ようび ( ) 」
ここで先生は以下のように書く指導をした。
「 5 がつ 28 にち きん ようび ( ) 」
「 がつ にち ようび ( ) 」
「 5 がつ 28 にち きん ようび ( ) 」
初めは特に違和感はなく。
納得していた私だったが…
ふと…黒板を見たら縦書きで以下のよう書かれていた。
5
月
28
日
(きん)
日
直
そこで気付いた…
曜日は、普通( )があれば、その中に書くモノ…という事に。
そこで子供達26人の書き方を見て回ったら…
24人が、「 きん ようび ( )」と書いていて、
2人だけ、 「 ようび ( きん )」と書いていた。
この二人も黒板の「 きん ようび ( )」を見ていた筈なのに…
そのようには書かれていない。
この事について以下のように考えた。
「こくご」ノートの使い方・書き方を全くしらない児童は
普通に考えて先生が黒板に書いた通りに書くだろう。
ならば、先生の言う通りに書かなかった2人の児童は?
彼らの過去の体験(似たようなノートを使った事がある)、
または過去の見識(カッコに曜日が書かれている事を見た)から、
「( 曜日 )」と書くと判断した…という事だろう。
これは、言うなれば「先入観」で先生の記述を見てしまった事だろうか…
この「先入観」とは、「カッコの中には曜日を書く」という認識である。
そして、その2人児童は、
「黒板の記述」と「ノートの記述」の違いを全く気付いていない。
この事を先生に伝えたら…
「本当だ! ようび ( きん ) ですね…」
「でも、 きん ようび ( )方が、子供には分かりやすい、かな…」
私も、その通りだと思った。
でも…
「一般的な書き方を思い出し」児童に合わせる事と
「一般的な書き方を失念して」児童に合わせる事、
この違いは、時によって、
児童にとんでもない間違いを生じさせ得るだろう…
この先生の「先入観」は以下であろう。
「一年生の児童にとって分かりやすい書き方を指導する」
そして、
先生も自分の「先入観」に気付けずに指導していた。
「先入観」とは、
自分だけの純・主観的(即自的)には絶対に気付けないモノだろう。
他人との対峙・対他があって客観的な主観(対自的)になり得た気付けるモノ。
因みに…この一年担任は教職二年目で、昨年は二年の担任であった…。