しましましっぽ

読んだ本の簡単な粗筋と感想のブログです。

「無実」 ジョン・グリシャム 

2009年09月17日 | 読書
「無実」 ジョン・グリシャム   上・下巻  ゴマ文庫
  The Innocent Man     白石朗・訳

1982年、オクラホマの小さな町で21歳のウェイトレスが何者かに強姦され殺された。
警察の捜査は行き詰まったかに見えたが、事件から5年後、地元に住む元野球選手とその友人が唐突に逮捕された。
物的証拠は皆無。
警察がでっち上げた証人と、お粗末な科学捜査により、ロンは死刑判決を下される。
12年にもわたる過酷な刑務所暮らしが始まった。刻一刻と迫りくる死刑執行の期日。
徐々に彼は精神を蝕まれていったが、そこにDNA鑑定という一筋の光明が差し込む。
         <裏カバー、上・下巻より>



ジョン・グリシャムが書いたノンフィクション作品。
冤罪事件だったことが分かってから書かれているのもの。
なので、何故どのように起こっていったかがとてもよく分かるように書かれている。
警察が犯人を作りあげていく怖さ。
日本でも同じことがある。
一体どれだけ冤罪の人がいるのだろうか。
法取引と言うのがあるが、他人の罪を暴く手伝いをしたら、自分の罪が軽くなるという発想が分からない。
自分の罪が軽くなるなら、嘘を言う可能性は高くなるだろう。

警察は何がなんでも犯人を挙げなくてはならない時は、どうにでも作れるということ。
そして、もっと怖いのは自分が作り上げた犯人を、間違いがないと信じきっていること。
犯人なのだから、無い証拠は作ればいいという発想。
それは単に、勘であったり、自分が気に入らない人物像と一致したからと言うものもある。
誰もが犯人にさせられる可能性があると言うことだ。
一般市民も犯罪が悲惨だと、そのことに気を取られ、冷静な判断が出来ないと言うことも分かった。
冤罪は被害者の遺族も気の毒だ。
憎むべき相手が違っていて、真犯人は自由なのだから。
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