しましましっぽ

読んだ本の簡単な粗筋と感想のブログです。

「幻夜」 東野圭吾  

2006年06月02日 | 読書
水原雅也は父親の通夜の朝に阪神大震災に合う。
そして通夜に来て泊まっていた叔父が建物に挟まれていた所を殺してしまう。
父親が自殺した原因を作り、その借金を生命保険から取り立て様としていた叔父だった。その様子を新海美冬が見ていた。
美冬と雅也は東京で、幸せになる為に、数々の行動を起こしていく。
主導権を持ち計画して行くのは、美冬。雅也は否応なしに協力していく。
犯罪にまで手を染め、それが幸せになる事なのか疑問に思う雅也だが、
美冬とは離れられない自分を感じている。
だが、ある時、美冬に対する疑問が生じ、自分で決着をつけ様とする。


前に「幻夜」を読んだ時は「白夜行」を読んでから年数が経っていた事もあり、
続編とは思わなかったが、今回は、美冬は雪穂だと思いながら読んでいった。
「幻夜」は「白夜行」の続編だった。
今回読んで、こんなにはっきり分かる様に書かれていたなんて、驚いた。
雪穂の悪魔的なところは、美冬ほどではないし、雪穂にはもう少し心があると思いたかったから、雪穂=美冬であって欲しくないという気持ちがあった。
美冬が大坂弁を使うのも、何となく違うイメージを持っていた。
年齢も違うと思っていたら、これにもちゃんと答えがあった。
美冬=雪穂と知ってから、雪穂と亮司の関係を考えた。
こんなに悪魔な雪穂なら、亮司も雅也と同じ、ただの道具だったのだろうか。
今回も美冬の気持ちは書かれていない。
雅也の気持ちは書かれているので、余計に雅也が可哀相で、美冬の悪魔性が強調されている。

亮司と雪穂の間には、愛があったと思いたい。
(でも、あることから、雪穂が亮司を支配していたと思いあたるのだが)
亮司を失った事で、亮司が作ってくれた道を突き進むことが雪穂の生きている証になり、
その為に手段を選ばない悪魔性が増したと思いたい。

雪穂には、共感は出来ないが、気持ちを察する事は出来た。
美冬には嫌悪感を覚える。
最後は雅也に美冬を撃たせてやりたかった。雅也の思いを遂げさせてやりたかった。
悪にはそれに見合う償いのシーンが欲しい。
ストーリーは面白いのが、あまり好きな話ではないのは、始めに読んだ時と同じ。
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« W杯直前 テストマッチ | トップ | 「判決前夜 ビフォア・アン... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

読書」カテゴリの最新記事