しましましっぽ

読んだ本の簡単な粗筋と感想のブログです。

「夜行観覧車」 湊かなえ

2013年09月13日 | 読書
「夜行観覧車」  湊かなえ   双葉社     

高台にある高級住宅地、ひばりヶ丘。
3年前に、小さな区画を買って引っ越してきた遠藤家。
工務店で働く啓介と妻の真弓と中学3年の彩花の3人家族。
彩花は家庭ではよく癇癪を爆発させるが、どこでスイッチが入るのか真弓には少しも分からない。
啓介は係りを避けて、何も言わない。
隣家の高橋家は、医師の夫と有名私立校に通う子ども達で幸せな家庭に見えた。
その高橋家で、妻が夫を殺す事件が起きる。
その時、高校生の比奈子は友達の家に泊まりに、中3の慎司はコンビニに行っていて不在だった。
真弓はそのコンビニで慎司と出会っていたが、その後慎司は行方をくらます。
本当に淳子が殺したのか、慎司はどこへ行ったのか。
そして、その事件を喜んでいるように見える彩花に、真弓と啓介はそれぞれ不安を覚える。






幸せそうな家庭で起こっていた問題。
不満を爆発させる娘を持つ家庭。
表面は違っても、誰もが同じ問題を持っている、と言うことか。
家族でも、お互いが理解出来なく、得体の知れない物に見えてしまう。
それは、何でも自分の気持ちを1番大事に考えてしまうからなのか。
相手の事を考えているつもりでも、物差しは自分。
コミュニケーションが取れていないし、お互いを知ろうともしないのだ。
殺伐とした物語。
これが、現在の家庭の姿なのだろうか。
理解出来ない人たちが、たくさん出て来る。
彩花の言う通り、坂道病でもよかった。
ラストは、他人とは分かり合えないが、家族とは分かり合えるということだろうか。
終わり方は、まあよかった気もするが、殺伐とした感じは消えない。
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