しましましっぽ

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「わが母なるロージー」  ピエール・ルメートル

2020年04月02日 | 読書
「わが母なるロージー」  ピエール・ルメートル  文春文庫  
 ROSY&JOHN    橘明美・訳

パリで爆破事件が発生した。
爆発物は140ミリ砲弾だった。
爆発から2時間後、直後、警察に出頭した27歳のジャン・ガルニエは話す相手としてカミーユ・ヴェルーヴェン警部を指名する。
ジャンは砲弾は7つ仕掛け、残りの6つは毎日1つずつ爆発するようにセットしたと言う。
砲弾のある場所を教える代わりに、自分と勾留されている母親ロージーの釈放を要求する。
ロージーは8か月前から衝動殺人で未決勾留されていた。
カミーユはジャンの態度や言動から、今までの犯罪者と違うものを感じ取っていた。






この物語は中編だが、インパクトは大きい。
爆破物の砲弾が第二次世界大戦の時、ドイツが落とした物の不発弾と言うのも驚き。
そして、今までにない爆破犯人の本当の目的。
何かが違うと思いつつ、捜査をするカミーユ。
まさか、こんなラストになるとは思わなかった。
ジャンは優しい青年。
復讐の気持ちよりも、別の感情があったように思う。
それでも、こんな結末しかなかったのかと、残念に思う。
この物語は「傷だらけのカミーユ」の前の物語。
恋人のアンヌが登場する。あのアンヌなのだ。
この物語のラストと言い、どこまでも辛い思いをするカミーユ。
カミーユ・ヴェルーヴェン警部は3部作で終了。寂しい。

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