しましましっぽ

読んだ本の簡単な粗筋と感想のブログです。

「制裁」  アンデシュ・ルースルンド&ベリエ・ヘルストレム 

2018年09月06日 | 読書
「制裁」  アンデシュ・ルースルンド&ベリエ・ヘルストレム    ハヤカワ・ミステリ文庫   
 ODJURET          ヘレンハルメ美穂・訳

ストックホルム。
4年前に9歳の少女2人を襲い殺害して服役していた男、ベルント・ルンドが脱走する。
アスプソース刑務所から病院へ移送の途中だった。
逮捕に係わり、取り調べもしたエーヴェルト・グレースン警部はその知らせを受け激怒する。
護送を2人しか付けなかった事、6時間も経ってまだ何の手掛かりもない事。
エーヴェルとスヴェン・スンドクヴィスト警部補と共に行方を探し始める。
その日、作家のフレドリック・ステファンソンは昼頃、5歳の娘マリーを保育園に送って行った。
その時保育園の門のすぐ側にあるベンチに座る男を見て目礼する。
仕事場に着いて、テレビでベルント・ルンド脱走のニュースを見て、驚愕する。
ベンチに座っていた男だったのだ。







ベルント・ルンドと2人の少女の殺害事件から始まる物語。
会話と、それぞれの心理状態がリアル。
そのルンドが脱走する。
その後の、捜査と逮捕の物語なのかと思っていたが。
新たな被害者の父親の行動が、この物語のメインなのか。
裁判があり、その裁判が社会に及ぼす影響。
実際にあったら、どう考えるか難しい。
心情的には理解しても、社会のルールの中ではどうなのか。
解釈の仕方でも大きく変わる。
法律では解決出来ない問題もたくさんある。

読みながら、これは物語だからとどこかで思っていた。
著者のあとがきに、実際に似たような事はあると書かれていた。
大きな問題が、世界中にある。
自分たちはどうして行ったらいいのだろうか。


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