しましましっぽ

読んだ本の簡単な粗筋と感想のブログです。

「悠久の窓」 ロバート・ゴダード 

2006年03月24日 | 読書
ニコラス・パレオロゴスは久々に故郷に向かっていた。
長兄・アンドルーの50歳の誕生日を家族みんなで祝う為と言う名目だが、実際は違っていた。
84歳の父が一人で住む古い屋敷を買いたいと言う大富豪が現われ、売らないと言う父親をみんなで説得しようと長姉・アイリーンが呼び寄せたのだ。
屋敷には、伝説のステンドグラスが隠されていると言う。
しかし、父親や拒否し、次の日階段から転落して死亡する。
屋敷の片付けをしていたニックとアンドルーは、地下のワインセラーの床に隠し部屋にある事を発見。
そこで見つかった物は・・・。
そして、屋敷の売買も全く架空だった事が判明する。
パレオロゴス家はビザンティン帝国最後の皇帝の末裔と言われている。その一家に誰かが罠を仕掛けている。
謎を解く鍵はベェネツィアに。


やっぱり、ゴダードは面白い。と思いながら読んでいた。
最近、面白いけれど、いまひとつだと思ったのが続いたから。
その理由が、解説を読んで分かった。解説を書いたのは、池上冬樹氏。(書き出しが「やっぱりロバート・ゴダードは面白い」だったので、可笑しかったが)
ゴダードには「ゴダード印のロマネスク」と「ストレートでピカレスクな冒険小説」のふたつの世界があると。
そう、自分は「ゴダード印のロマネスク」が好きなんだ。そして、この「悠久の窓」はこちらの方。

パレオロゴス家はビザンティン帝国最後の皇帝の末裔の話や、その前のテンプル騎士団の話などが、少々頑張って読まないと良く解らなくなってしまう。
もっと、解りやすい謎にしてくれたらいいのに、と思ったら、この話もある程度は真実で、歴史に基づいたものだった。
しかし、ゴダードの主役の男性はみんな、謎の美女に弱い。男はみんなそうなのか。
このニックも、何度も騙されながら、最後まで疑ったり、憎んだりする事は出来ず、信じようとする。
まあ、今回は何が本当で何が嘘なのか、二重三重に謎が張り巡らされていて、翻弄されてしまうから、ニックの様にあまり考えなく、話に流されていってもいいのかも知れない。

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1 コメント

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やっぱりゴダードは面白い! (honyomi-world)
2006-06-23 10:53:21
特に下巻は、急ピッチで謎が展開して

一体どうなるんだろうと思いました。

最後は、ムムム。。。

ゴダード的な終わり方で、ちょっと肩透かしですね。
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