しましましっぽ

読んだ本の簡単な粗筋と感想のブログです。

「特捜部Q-Pからのメッセージ-」  ユッシ・エーズラ・オールスン 

2021年02月12日 | 読書
「特捜部Q-Pからのメッセージ-」  ユッシ・エーズラ・オールスン  ハヤカワ・ミステリ文庫 上・下巻
FLASKEPOST FRA P            吉田薫/福原美穂子・訳

その手紙は、ビンに収められたまま何年間も海中にあり、引き揚げられてからもすっかり忘れ去られていた。
だがスコットランド警察からはるばる特捜部Qへとその手紙が届いた時、捜査の歯車が動き出す。
手紙の冒頭には悲痛な叫びが記されていたのだ。
「助けて」いまひとつ乗り気でないカールをよそに、二人の助手アサドとローセは判読不明のメッセージに取り組む。
やがておぼろげながら、恐るべき犯罪の存在が明らかに…
     <文庫本上巻裏カバーより>

雲をつかむような誘拐事件の追跡は、まったく進捗しなかった。
だが特捜部Qはあきらめない。
わずかな手がかりと根気を武器に、じりじりと捜査を進める。
そのころ悪魔のような犯人は、新たな凶行を進めていた。
その毒牙にかかるのは罪もない子供たちだった…
ますます快調。アサドに続き、ローセの秘密までもが明らかになる驚きの展開!
      <文庫本下巻裏カバーより>





特捜部Qシリーズ3作目。
今回の事件も悲惨だ。
しかし、その展開が見事で面白い。
ボトルに入ったメッセージから少しずつ分かっていく事実。
犯人側から書かれる、現在進行形の誘拐事件。
無理なく進んで、ハラハラドキドキさせられる。
カールの行動はいつも“詰めが甘いんだよな”と言う感じもあるが。
他の登場人物もそれぞれ存在感があって物語を動かして行く。
イサベルとラーケルの行動力。
ミアとケネトの戸惑い。
レギュラーのアサドや、ローセと双子のユアサの秘密も興味深い。
ローセとユアサの事は途中で分かったが、分かったからと言って謎が消える訳でもないかも。
警察も、連続して起こる火災事件に首を突っ込むカール。
盛り沢山だが、テンポが良く、先が気になり一気読み。

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 「特捜部Q―キジ殺し―」 ユ... | トップ | 「ボトムズ」 ジョー・R・... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

読書」カテゴリの最新記事