しましましっぽ

読んだ本の簡単な粗筋と感想のブログです。

「犯人に告ぐ2 闇の蜃気楼 」 雫井脩介 

2017年07月25日 | 読書
「犯人に告ぐ2 闇の蜃気楼 」 雫井脩介    双葉社    

砂山知樹は大学生1年の時に、両親を交通事故で亡くす。
3歳下の弟の健春は中学時代から不良仲間と付き合い、高校もほとんど行かずに地元横浜のギャングチームに出入りしていた。
しかし、2人の兄弟仲は良く、知樹は両親の遺産を学費に当てる事が出来て卒業までこぎつける。
就職も横浜の老舗菓子メーカーの〈ミナト堂〉に内定する。
その〈ミナト堂〉に不正問題が発覚し、内定は半強制的に辞退となる。
知樹はバーテンダーのバイトをするが、やがて健春のボスに誘われ、健春と一緒に振り込め詐欺に手を染める。
その詐欺の事務所に捜査が入った時、いち早く危機を感じて知樹は健春を連れて逃げる。
それは、詐欺の指導役の淡野悟志と名乗る男が電話を掛けて来て「レスティンピース」と言ったからだ。
「レスティンピース」=「安らかに眠れ」。
その後、淡野が接触して来て、誘拐で1億円を手にしないかと誘う。
誘拐の相手は、経営を再建して勢いを取り戻した〈ミナト堂〉の若社長だった。
淡野の計画を聞き、知樹と健春が誘拐を実行する。
3人は〈大日本誘拐団〉を名乗る。
誘拐事件の捜査に当たるのは、神奈川県警本部刑事総務課付の特別捜査官、巻島史彦警視。
〔バッドマン〕事件から半年経っていた。










振り込め詐欺の手法を使った誘拐事件。
身代金の取り方も色々だ。
成程と納得。
それ以上に、振り込め詐欺の手口も、これだったら騙されてしまうかも、と思えた。
この物語の主人公は、知樹。そして淡野と巻島。
始めは振込み詐欺から始まるので、知樹たちには感情移入出来ないと思っていた。
振込み詐欺は卑劣としか言いようがないから。
しかし、物語が進むうち、段々この誘拐が成功すればいいと思い始める。
誘拐も卑劣だが、命を奪う物ではないから。
しかし、巻島の方から読むと、捜査が成功するように、と。
ああ、自分勝手だ。
それだけ、どちらにも感情移入してしまったという事。
犯人は勿論、あの手この手で策略を巡らせる。
それは警察も同じ。
ただ、人質を無事救いだすよりも犯人逮捕に重点を置いているように見えてしまう。
水岡社長が1番板挟みになって苦しんでいた。
事件解決は偶然とも見える。コメディタッチで書かれているので余計そう感じる。
しかし、ちゃんと人員を配置し追えるバイクも手配していたと考えると、あながち偶然とは言えないかも。
知樹と健春の捕まったが、命があって良かった。
巻島と淡野の対決を残して物語は終わる。
続きが早く読みたい。


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