しましましっぽ

読んだ本の簡単な粗筋と感想のブログです。

「氷の家」 ミネット・ウォルターズ 

2008年10月01日 | 読書
「氷の家」 ミネット・ウォルターズ    創元推理文庫
 THE ICE HOUSE        成川裕子・訳    

英国ハンプシャー州ストリーチ村。
ストリーチ・グレインジの屋敷に3人の女性が住んでいた。
屋敷の女主人、フィービ・メイベリーと友人のアン・カトレルとダイアナ・グッド。
フィービの実業家の夫、ディヴィッドは10年前に失踪していた。
その時捜査にあたったシルヴァーボーン警察のウォルシュ首席警部は、ディヴィッドはフィービに殺されていると推測、屋敷の庭を掘り起こすことまでしていたが、死体を発見することは出来なかった。
そんなことがあり、村人は3人を魔女と呼び、交流しようとはしなかった。
屋敷の敷地内には氷室が造られていたが、今は煉瓦置き場になっていた。
屋敷の使用人、フレッド・フィリプスが塀の修理のために煉瓦を取りに行き、氷室の中で無残な死体を発見する。
ウォルシュはその死体がディヴィッドだと、部長刑事のアンディ・マクロクリンらと乗り込んで来る。



読み始めてすぐに引き込まれる物語があるが、これはそう。
派手な展開ではなく、どちらかというと優雅な落ち着いた雰囲気。
自分で勝手に感じる雰囲気だが、それが好きだと感じた。
何となく謎めいた屋敷の3人の女性と、腹の探りあいをしている刑事たち。
ひとりひとりの心の声も細かく書かれているのが謎を深める。
フィービもアンもダイアナも怪しげだから、どう展開していくのか予想が付かない。
警察側の人間も、組織というより個人的な感情で動いているのが、なんとなく珍しい。
とても人間的な物語。だから、悲惨なことも起こる。
始めから1つの大きな謎があるが、その後も少しずつ出てくる謎。
それもきちんと解決されて、落ち着くところに落ち着いていく面白さもある。

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