しましましっぽ

読んだ本の簡単な粗筋と感想のブログです。

「ウォッチメイカー」 ジェフリー・ディヴァー

2008年10月02日 | 読書
「ウォッチメイカー」 ジェフリー・ディヴァー    文藝春秋
  The Cold Moon    池田真紀子・訳

ウォッチメイカーと名乗る殺人者あらわる。
その報がリンカーン・ライムのもとに届いた。
手口は残忍で、いずれの現場にもアンティークの時計が残されていた。
やがて犯人が同じ時計を10個、買っていることが判明した―被害者候補はあと8人いる!
だが、いつ、誰が、どこで?
尋問の天才キャサリン・ダンスとともに、ライムはウォッチメイカー阻止に奔走する。
一方、刑事アメリア・サックスは別の事件を抱えていた。
会計士が自殺を擬装して殺された―
事件にはニューヨーク市警の腐敗警官が噛んでいるようだった。
捜査を続けるアメリアの身に危険が迫る。
2つの事件はそう交差するのか?
       <カバー折り返し粗筋より>


リンカーン・ライムシリーズ第7弾。

今回も色々仕掛けや、叙述トリックであっと驚かせてくれる。
ウォッチメイカーの正体も二転三転。
自分は惑わされて読んでいたが、解決しそうなのにこんなにページ数が残っていると言う事は、きっと何か起こるのだと身構えてしまう。
そんな読み方は邪道かな。
犯行については、何もそんなにまどろっこしいことをしなくても、と読みながら思った。
が、それもちゃんと理由があって、すべてがきちんと収まっていく。
取り合えず、突っ込み所は残らなかった。そこまで計算しているのは流石だ。
今までと違うのは犯人が捕まらなかったこと。
続きがあるということだ。楽しみ。
犯罪やトリックはちょっと作り過ぎな感じもするが、登場人物が好なので、多少ストーリーに迫力がなくても大丈夫。
そう、なんとなく迫力というか緊迫感が少なかった気はする。

原題の「The Cold Moon」はウォッチメイカーが残した詩から。
『冷たい月が満ちて
 地上の骸を照らし
 誕生から始まる旅の終りを
 告げている』
 
冷たい月(The Cold Moon)は太陽暦の月の名。死の月。

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 「氷の家」 ミネット・ウォ... | トップ | 「豊饒の地」 フェイ・ケラ... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

読書」カテゴリの最新記事