しましましっぽ

読んだ本の簡単な粗筋と感想のブログです。

「人面瘡探偵」  中山七里 

2020年10月22日 | 読書
「人面瘡探偵」  中山七里    小学館       

「人面瘡」 じんめんそう。
体についた傷などが人の顔のようになり、意思を持って喋ったりするようになった存在。
妖怪や奇病の一種とされる。

三津木六平は〈古畑相続鑑定〉で相続鑑定士している。
5歳の時に出来た肩の3つの傷が、目と口に見え手で動かして遊んでいるといきなりしゃべり出した。
それ以来、肩に出来た人面瘡を“ジンさん”と呼んでいた。
ジンさんは三津木が得た知識を忘れる事無く蓄え、三津木を揶揄しながらもアドバイスする存在になっていた。
三津木は信州の山奥へ向かっていた。
今回の依頼主の本城家は信州隋一の山林王と呼ばれ、邸宅は山に囲まれた1軒屋。
当主の本上蔵之助が亡くなり、自宅には8人が暮らしていた。
長男の武一郎夫婦、次男の孝次、三男の悦三、長女の沙夜子と息子の崇裕の家族6人と、料理人の沢崎と家政婦の鈴原久瑠実。
相続人は4人の子どもだった。
林業が衰退傾向にあり、本城家もかなり苦しい経済状況で、兄弟からは何とか良い鑑定が出るように期待される。
三津木はさっそく資産を鑑定を始める。
ジンさんのアドバイスで崩れた山の地質調査をすると、そこには希少価値の『モリブデン』が含まれている事が分かる。
大喜びする兄弟をよそに、顧問弁護士の柊は、三津木を疫病神と呼び不吉な予感を話す。
そしてその夜、母屋から離れた蔵が火事になり、中から武一郎夫婦の遺体が発見される。






探偵は三津木ではなく、ジンさん。
三津木の目を通して物事を見て推理して行く。
1度知った事は忘れないと言うのは強みだろう、羨ましい。
そんな設定は面白い。
しかし、ジンさんと三津木の関係が揶揄する言葉や罵り言葉で、読んでいて不快。
だから2人とも好感が持てない。
物語の方は意外と単純。
もっと最後に何か大きなドンデン返しや、以外な事実が判明するのかと思っていた。
見立て殺人も、誰も知らない絵本ではあまり意味がない様な気がする。
知っているからこそ恐怖が増す、とか。
1つ1つの事件の詳細は最後まで語られていない。
実際にそこまで上手く行くのかと言う疑問も。
見立てと犯行を無理やりこじ付けてしまった感もない。

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 「告解」  薬丸岳  | トップ | 「逃亡刑事」  中山七里  »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

読書」カテゴリの最新記事