しましましっぽ

読んだ本の簡単な粗筋と感想のブログです。

「暗闇の薔薇」 クリスチアナ・ブランド   

2005年11月10日 | 読書
元映画女優のサリーは、嵐の夜1台の車に尾行されていた。心当たりはある。
ある指輪を狙っているのだ。
一度は尾行をまいたかと思えたが、嵐が1本の巨木を倒し帰り道を塞いでしまう。
サリーは見つかる危険を感じ怯えるが、おりしも反対側で同じように立ち往生している
車に気が付く。その車の持ち主の男も急いで進みたがっていた。
サリーとその男は車を取り替え、それぞれUターンして目的地を目指す事にする。
車は最近売り出した同じ型のものだった。
翌朝サリーは車の中から死体を発見する。そして車はサリー自身の物だった。
1ページ目に登場主要人物9人が書かれ、
「以上の中に、殺人の被害者と犯人がいる。この殺人には共謀はないものとする。」
と言う作者からのメッセージがある、本格ミステリ。

始めから緊迫感のあるストーリーだが、途中はこれがどう本筋に関わるの?とのんびりしてしまうが、後でこの伏線も重要だったと分かる。
謎解きも、2転3転する形で、面白かったが、読者には犯人は当てられない。
心の傷が重要な鍵になっているから、読後感はちょっと暗くなる。
サリーと、彼女の友人関係が面白いが、読んでいてちょっといらいらして落ち着かない。
サリーの性格が好きになれないから。とても付いていけない感じがした。
それもこの話のポイントだったのだ。
ブランドの小説の中で舞台になった、地中海の架空の島、サン・ホアン・エル・ピラータ共和国が、この話でも関わって来る。
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