「あなたが誰かを殺した」 東野圭吾 講談社
別荘が5軒が集まるある地で殺人事件が起こる。
深夜に起きた事件で、15名の滞在者のうち、5人が亡くなり1人が怪我をする。
その次の夜、ホテルで豪華な食事を終えた男が、従業員に自分が犯人だと言いテーブルに血の付いたナイフを置く。
駆け付けた警官に逮捕された男は、桧川大志。
東京在住で無職、28歳。生きている意味を感じないので死刑になりたい。
殺す相手は誰でもよかったと供述するが、犯行の詳細はよく覚えていないと話そうとしなかった。
遺族は犯人が誰かより、どういう経緯で殺されたのか真相を知りたいという思いが強くなり、遺族が集まり検証会を実施することにする。
夫を亡くした鷲尾春那は検証会に参加するにあたり、友人の紹介から加賀恭一郎と同行することになる。
検証会では加賀が司会を務める事になり、今まで分からなかった事が明らかになっていく。
東野さんで、似たようなタイトルがあった。
「どちらかが彼女を殺した」と「私が彼を殺した」で、ともに加賀恭一郎物で、そうかその流れなのかと読み出してから気が付いた。
でも、前の2冊はもう忘れているのだが・・・・・。
犯人捜しの物語。
この遺族の中に桧川の共犯者がいるのだろうと言う事は分かる。
そう思うからか、登場人物は誰もが本心を隠して、何かあるのだろうと思わせる。
栗原朋香の同行人の久納真穂は、紹介されたのとは別の人物だったことが途中で分かるが、これは物語を広げる為に必要だったから。
同行人にこの捜査に係わっている榊刑事課長を登場させたのも、事件捜査には必要だったから。
こんな風に、ちょっと都合よく設定されている。
話を聞いただけで推理して、犯行を組み立て、犯人を見つける加賀。
同じように注意深く読んでいたら犯人が分かったのだろうか。
どうしても先が気になって急いでしまうので、自分には無理だ。
ゲーム感覚の物語。
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