しましましっぽ

読んだ本の簡単な粗筋と感想のブログです。

「バーティミアス プトレマイオスの門」 ジョナサン・ストラウド  

2006年05月01日 | 読書
魔術師が支配する、現代の大英帝国。ゴーレム事件から3年、ナサニエルは帝国政府の情報大臣になり、首相にも気に入られていた。
しかし長引くアメリカとの戦い、ヨーロッパからの襲撃に加え、一般市民の抗議行動も起こり、国の情勢は不安定。
ナサニエルは、兵士を募る為の宣伝活動をしつつ、襲撃を押さえていた。
そんなナサニエルはバーティミアスをいつまでも、解放しないで働かせていた。
長く地球に留まっている為、バーティミアスの成分はもうぼろぼろで、満足に戦えなくなっていた。
ある時、ナサニエルは不穏な動きを見せる官僚に気付き、バーティミアスに探る様に命令を出す。
陰謀の黒幕の在処を突き止めたバーティミアスだが、黒幕の妖霊に追われ、瀕死の状態でナサニエルの元に戻る。
バーティミアスを可哀相に思ったナサニエルは、情報を聞き出す方が先だと言う、警察庁副長官のファーラーに背き、バーティミアスを異世界に解放する。
魔術師支配の社会からの解放を願う、もと「レジスタンス団」のキティは、変わり者の魔法使い、バトンの屋敷で働きながら、魔法や妖霊の事を学んでいた。
それは、バーティミアスに出会い、妖霊も魔法使いの束縛を嫌っている事を知り、妖霊と手が組めるのではないかと考えたからだ。キティは異世界で体力を回復しつつあるバーティミアスを召喚する。

バーティミアスが好んで姿を取ったエジプトの少年が、プトレマイオス。
バーティミアスとプトレマイオスとの関係、物語も明らかになる。


「バーティミアス」3部作の最終巻なのだが、本当にこれで終わりなの、と疑問が。
と言うより、これで終わって欲しくないと言う気持ちがある。ハッピーエンドではないのだもの。
いや、一応ハッピーエンドなのかも知れないが、その後が気になってしまう事が多いし、あまりにも切な過ぎる。
この世界の続きが知りたい。そして、主人公達の次なる活躍も。

挿入される、バーティミアスとプトレマイオスの話も良かった。本当ならこれでも1冊書けそうだ。
地球に現われると、悪魔の様になる妖霊だが、本来の場所にいたらひとつの純粋な生命体なのだろう。
3部作。1部より2部が面白かったが、3部もとても面白かった。
しかし、主役はみんな疲れきって、ぼろぼろ。
戦いは生命力を吸い取る物。だから話も結構辛い。
バーティミアスが元気に大活躍する姿を見たかった。あの毒舌も体力がないと、いまいちだよ。
そして、ナサニエルも。真実に目覚めて、活躍するのはこれからだと思ったのに。
続きを、書いて!




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