「Aではない君と」 薬丸岳 講談社
吉永圭一の14歳の息子、青葉翼が逮捕される。
3年半前に離婚し、母親の純子と暮らしている翼とは時々会う程度だった。
翼は同級生の藤井優斗を雑木林に呼び出し、刃物で胸を刺し殺害したと見られていた。
吉永はその時間の少し前に、翼から電話が掛かって来たが、仕事仲間と祝杯中で電話に出なかった事を悔やむ。
翼は取り調べに対しても、弁護士に対しても何も話さない。
吉永はなんとか翼との面会が出来るようになる。
そして、翼は優斗を殺した事は認めるが理由などは話そうとしなかった。
やがて面会も拒否するようになる。
弁護士に「どうしてお父さんと2人きりでは会えないの」と呟いたと聞いた吉永は、2人だけで会えるように「付添人」になる。
沢山考える事がある物語。
事実を淡々と、その場にいるようにみせてくれる。
自分がこの立場だったらと、加害者・被害者両方の家族に置き換えて考える。
しかし、こんな立場にはなりたくないというのがまずは本音。
それは誰でも同じだろう。
だから、そんなことが起こる前に、こういう物語に触れる事も意味がある事だと思う。
「心とからだと、どっちを殺したほうが悪いの?」と言う問いがある。
やはり、からだを殺す方が悪いだろうと思う。
心を殺されるのは、本人にしか分からない。
心を殺されて、自らからだも殺してしまう人もいる。
それでも、からだを殺す方が悪いと思う。
心は再生出来るかも知れない。
しかし身体は絶対に再生出来ないのだ。
大事な事は、心を殺さない、殺させないこと。何があっても守ること。
その為には他の人の力を借りても良い事を、子どもには伝えたい。
悩んでいる時ではなく、日常的に何かあった時はどうしたらいいかを知識として知らせておく必要がある。
今の時代はそうだろう。
周りからは見えない、自分だけの世界が子どもにもある。
しかし、最近の未成年の殺人報道では「人を殺してみたかった」と言うのが多々ある。
実際にはまた違った理由があったのか、そのあたりは分からないが。
そんな子どもにはどう接したらいいのだろう、と考えてしまう。
翼には相手を殺したいほど憎む理由があった。
理由があればいいと言う事ではないが、そこに寄り添える。
しかし、そうで無い時はどこに寄り添えばいいのだろうか。
ただただ不気味に思えるだけ。
しかし、翼はなぜペロを殺すことをしてしまったのだろう。
そこまで拒否出来ない、弱い子には見えなかった。
「一人でいても、それが正しいことなら仕方ない」と言っていた翼とは思えない。
動画を撮っている時点で気が付けば良かったのに。
翼にはペロの方が大事だって、言えばよかったのに、と思う。
この物語はここでひとつの区切りだけれど、まだこの先、続いていくのだ。
「殺されても当然」と言っていた翼が、そうではない事に気が付けたのが、この物語のラストとして良かった。
吉永圭一の14歳の息子、青葉翼が逮捕される。
3年半前に離婚し、母親の純子と暮らしている翼とは時々会う程度だった。
翼は同級生の藤井優斗を雑木林に呼び出し、刃物で胸を刺し殺害したと見られていた。
吉永はその時間の少し前に、翼から電話が掛かって来たが、仕事仲間と祝杯中で電話に出なかった事を悔やむ。
翼は取り調べに対しても、弁護士に対しても何も話さない。
吉永はなんとか翼との面会が出来るようになる。
そして、翼は優斗を殺した事は認めるが理由などは話そうとしなかった。
やがて面会も拒否するようになる。
弁護士に「どうしてお父さんと2人きりでは会えないの」と呟いたと聞いた吉永は、2人だけで会えるように「付添人」になる。
沢山考える事がある物語。
事実を淡々と、その場にいるようにみせてくれる。
自分がこの立場だったらと、加害者・被害者両方の家族に置き換えて考える。
しかし、こんな立場にはなりたくないというのがまずは本音。
それは誰でも同じだろう。
だから、そんなことが起こる前に、こういう物語に触れる事も意味がある事だと思う。
「心とからだと、どっちを殺したほうが悪いの?」と言う問いがある。
やはり、からだを殺す方が悪いだろうと思う。
心を殺されるのは、本人にしか分からない。
心を殺されて、自らからだも殺してしまう人もいる。
それでも、からだを殺す方が悪いと思う。
心は再生出来るかも知れない。
しかし身体は絶対に再生出来ないのだ。
大事な事は、心を殺さない、殺させないこと。何があっても守ること。
その為には他の人の力を借りても良い事を、子どもには伝えたい。
悩んでいる時ではなく、日常的に何かあった時はどうしたらいいかを知識として知らせておく必要がある。
今の時代はそうだろう。
周りからは見えない、自分だけの世界が子どもにもある。
しかし、最近の未成年の殺人報道では「人を殺してみたかった」と言うのが多々ある。
実際にはまた違った理由があったのか、そのあたりは分からないが。
そんな子どもにはどう接したらいいのだろう、と考えてしまう。
翼には相手を殺したいほど憎む理由があった。
理由があればいいと言う事ではないが、そこに寄り添える。
しかし、そうで無い時はどこに寄り添えばいいのだろうか。
ただただ不気味に思えるだけ。
しかし、翼はなぜペロを殺すことをしてしまったのだろう。
そこまで拒否出来ない、弱い子には見えなかった。
「一人でいても、それが正しいことなら仕方ない」と言っていた翼とは思えない。
動画を撮っている時点で気が付けば良かったのに。
翼にはペロの方が大事だって、言えばよかったのに、と思う。
この物語はここでひとつの区切りだけれど、まだこの先、続いていくのだ。
「殺されても当然」と言っていた翼が、そうではない事に気が付けたのが、この物語のラストとして良かった。
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