しましましっぽ

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「追撃の森」  ジェフリー・ディーヴァー

2013年05月20日 | 読書
「追撃の森」  ジェフリー・ディーヴァー   文春文庫
 THE BODIES LEFT BEHIND         土屋晃・訳

アメリカ、ウィスコンシン州ケネシャ郡。4月17日金曜日。
モンダック湖畔の別荘で、スティーヴンとエマ・フェルドマン夫妻が2人組の殺し屋ハートとルイスに襲われる。
スティーヴンは911に通報電話を入れるが「こちら」の一言で切れてしまう。
保安官事務所は、1番近くに住んでいるブリン・マッケンジー保安官補に様子を見に行かせる。
近いと言っても、車で40分、人里離れたマーケット州立公園に囲まれた所に位置していた。
ブリンは別荘で、夫婦の死体を発見し、殺し屋に車のキーを要求される。
ハートとルイスは、フェルドマン夫婦が2人だけだと思っていたが、3人目の客人ミシェルに撃たれ、車のタイヤも撃ち抜かれていた。
その場をなんとかやり過ごしたブリンは、隠れていたミシェルと出会う。
殺し屋は、ミシェルとブリンを殺そうと追撃を始める。






いつもとちょっと違うディーヴァ―のドンデン返し。
頭脳戦に、アクションが加わった感じ。
あっ、と思わせて、実は違ったといういつもの手法はお馴染みだが、つい引っかかってドキドキさせられる。
2人の女性と2人の殺し屋の性格も面白い。
女性の方は、警官とちょっと根性のある女優志望で、ありがちな感じ。
まあ、これもその通りではなかったのだが。
殺し屋は、パターンで言えば頭脳派とパワー派のコンビが多いが、これは違った。
2組の2人同士が、それぞれに相手を探り合い、それでも協力は必要で、助け合いながら進んで行く。
過去を語ることで、共感を覚えたりと、その辺りの気持ちの動きも面白い。
特に、ブリンの過去や、現在の家族の様子などは、追跡劇と共に興味深い。
お互いに同じ種類の人間と感じた、ブリンとハートも心の動きも、物語を深くさせている。
どこかで選ぶ選択が違っていたら、違う人生にもなりうるのだ。
ラストは、最後にもっと何か出て来るのかと思ったらそこは意外とあっさりだった。
よかったような、そうでもないようなラスト。
ハートのラストが不満なのだと思う。


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