一花一葉  NewTraditonal IKEBANA 

徒然なるままに・・季節の植物に 心を遊ばせて

1508- 小説 "蝉しぐれ"

2015-08-05 | 生け花
 蝉しぐれ、 と言う言葉からは 夏を楽しむ心 と言う情感が感じられますが " しぐれ "と言うより洪水の様な 蝉の大合唱です。

蝉しぐれと言えば、以前にNHKで放映され大ヒットした 藤沢周平原作のテレビドラマを思い出します。
 どの場面にも、藤沢周平の世界に浸れるものでしたが 私が特に心に残るのは お互い初恋の時の想いを 抱いたまま 別の道を生きている二人が 主人公文四郎の計らいで ヒロイン おふくを 陰謀を企てている敵の手から救い出す場面です。

 世継の子を授かったおふくが、しっかりとその子を胸に抱き 命がけで二人を救い出そうとしている文四郎と 身を潜めた小舟の中で 同じ月を見上げながら無言で 船頭の操る櫂の音を聞いている・・・二人の心模様が、見ている側に ひしひしと伝わってくる名場面のラブシーンと思いました。

 この作品、原作とともに親子の愛・男女の愛・友情・誇り・江戸の世情・情感など ふんだんに感じられる一作だと思います。

 花材 ・ニューサイラン ・ユリ ・クッカバラ
 花器 ・白色花瓶 ・タペストリーは藍染め

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