この数年、経験したことの無い暑さに見舞われています。３年前から緑のカーテンを育てその恩恵に預かっています。ゴーヤの花はとても良い香り、そして青い実がオレンジ色に熟すのを待って 朝食の定番のジュースとして頂きます。牛乳と少しの甘味料を加え、ミキサーで仕上げると きれいなオレンジ色のジュースの出来上がり。可愛い黄色の花を スープ皿に生け、ゴーヤに感謝!
花材 ゴーヤ
花器 スープ皿
花材 ゴーヤ
花器 スープ皿
"水" ２０ 代 始めの頃、私が属していた華道の家元の講演での第一声でした。物事をあまり深く考えることの無かった頃の私の心にも何かずしんと響く言葉でした。
日本の文化は水の恩恵を抜きに考えることは出来ないでしょう。私が続けてきた生け花もそのひとつです。一部のドライの花材を除いて大多数の花材は生け手によって水揚げをされ、あたかも大地から水を吸っているかの様に作品の中で短い命を輝かせるのです。
美しい水に恵まれた私達はそれを大切にし特別な物として考えてきたと思います。水の美しさも独特の捉え方をしています。外国の大きな滝や、豪華な噴水の美しさに対して、庭に引き入れられた曲水、小川のせせらぎ、少しづつ溜めた水が落とす獅子脅しの水，茶道の水指に満たされた清水。
かつて これぞ日本の水の美だと感動したのは、メトロポリタン美術館の日本美術のコーナーで観た水の流れです。イサム・ノグチ氏の作品で白い玉石の上の黒っぽい1～２メートルの多面体の石の全面を水が濡らしながら流れ落ちている様子でした。外国で、このような物に出会うとは、驚きでした。
水の話は沢山聞いてきましたし大好きなテーマですが 自身の心を濁り無い静かな鏡のような水で満たし回りのことや自身の心を映せるように心がけたい。でも、少しの事でさざなみ立つ私の心です。今日は、水に関する花を生けてみました。
美術館のイサム・ノグチ作品
1. 水盤の花
水盤に水を満たし、そこに花を生けるのは日本特有の生け花の手法です。
花材 アンスリュウム白 ・ほたるがや ・伊予みずき
花器 信楽焼き水盤
2. 小鳥の水場
お天気の良い日は、庭の小鳥は水場で水浴びをしたり、その水を飲んで見たり・・・。私達には考えられない衛生観念。
時には、樹木の害虫も食べてくれます。それは可愛らしい訪問者です。
花材 レザーファン ・八重姫ひまわり ・バラ
3. 孤独な緋メダカの棲む水連鉢
沢山の緋メダカが昨年の冬の寒さですっかり姿を消したかと思っていたら春先に、小さな一尾を発見。今では、体長４センチもあり緋メダカとは言えません。そんな水連鉢に残花の小さな紫陽花を浮き花にして見ました。
4. 優しい朝顔
隣家の庭に、毎年ピンクの朝顔が咲きます。声をかけて一輪、頂戴しました。女の子のお孫さんが小学生の頃、観察学習をしてお婆ちゃんの庭に植えてくれた物だそうです。その小さな女の子も高校生の美しい娘さん。白い縁取りの、優しいピンク色にほのぼのします。それにしても、蔓の先の生命力の強さ、明るい窓に向かって頭を持ち上げてきました。
花器 透明ガラス水指
5. ニンフの噴水
この小さな噴水は、１５年位前 花屋さんの片隅に埃を被っていたものを譲り受け夫が修理したもの。以来、我が家のリビングの一角でささやかで元気な水を出しています。小さな水の流れは、キラキラしていて楽しいものです。
花材 柏葉紫陽花 ・シダ
花器 小さな噴水
6. 花止めいろいろ
今では、水盤に生ける時 金属製の剣山を使います。便利なものだが、少々無粋な感じ。
A.B.C の花止めはそれを感じさせない造形で 生け花の中でのひとつの景色を作ってくれます。
左から A 大正生まれの姑が娘時代に使用していたもの B 波佐見焼の青磁 C 四国の琴平で見つけた物
日本の文化は水の恩恵を抜きに考えることは出来ないでしょう。私が続けてきた生け花もそのひとつです。一部のドライの花材を除いて大多数の花材は生け手によって水揚げをされ、あたかも大地から水を吸っているかの様に作品の中で短い命を輝かせるのです。
美しい水に恵まれた私達はそれを大切にし特別な物として考えてきたと思います。水の美しさも独特の捉え方をしています。外国の大きな滝や、豪華な噴水の美しさに対して、庭に引き入れられた曲水、小川のせせらぎ、少しづつ溜めた水が落とす獅子脅しの水，茶道の水指に満たされた清水。
かつて これぞ日本の水の美だと感動したのは、メトロポリタン美術館の日本美術のコーナーで観た水の流れです。イサム・ノグチ氏の作品で白い玉石の上の黒っぽい1～２メートルの多面体の石の全面を水が濡らしながら流れ落ちている様子でした。外国で、このような物に出会うとは、驚きでした。
水の話は沢山聞いてきましたし大好きなテーマですが 自身の心を濁り無い静かな鏡のような水で満たし回りのことや自身の心を映せるように心がけたい。でも、少しの事でさざなみ立つ私の心です。今日は、水に関する花を生けてみました。
美術館のイサム・ノグチ作品
1. 水盤の花
水盤に水を満たし、そこに花を生けるのは日本特有の生け花の手法です。
花材 アンスリュウム白 ・ほたるがや ・伊予みずき
花器 信楽焼き水盤
2. 小鳥の水場
お天気の良い日は、庭の小鳥は水場で水浴びをしたり、その水を飲んで見たり・・・。私達には考えられない衛生観念。
時には、樹木の害虫も食べてくれます。それは可愛らしい訪問者です。
花材 レザーファン ・八重姫ひまわり ・バラ
3. 孤独な緋メダカの棲む水連鉢
沢山の緋メダカが昨年の冬の寒さですっかり姿を消したかと思っていたら春先に、小さな一尾を発見。今では、体長４センチもあり緋メダカとは言えません。そんな水連鉢に残花の小さな紫陽花を浮き花にして見ました。
4. 優しい朝顔
隣家の庭に、毎年ピンクの朝顔が咲きます。声をかけて一輪、頂戴しました。女の子のお孫さんが小学生の頃、観察学習をしてお婆ちゃんの庭に植えてくれた物だそうです。その小さな女の子も高校生の美しい娘さん。白い縁取りの、優しいピンク色にほのぼのします。それにしても、蔓の先の生命力の強さ、明るい窓に向かって頭を持ち上げてきました。
花器 透明ガラス水指
5. ニンフの噴水
この小さな噴水は、１５年位前 花屋さんの片隅に埃を被っていたものを譲り受け夫が修理したもの。以来、我が家のリビングの一角でささやかで元気な水を出しています。小さな水の流れは、キラキラしていて楽しいものです。
花材 柏葉紫陽花 ・シダ
花器 小さな噴水
6. 花止めいろいろ
今では、水盤に生ける時 金属製の剣山を使います。便利なものだが、少々無粋な感じ。
A.B.C の花止めはそれを感じさせない造形で 生け花の中でのひとつの景色を作ってくれます。
左から A 大正生まれの姑が娘時代に使用していたもの B 波佐見焼の青磁 C 四国の琴平で見つけた物
この時期、ラジオの音楽やテレビの映像にもハワイに関するものが目につきます。庭の水やりをしている時、時々小さな虹がホースの先に発生して幸せな気分になる事があります。ハワイ旅行では、夕立のあと必ずと言っても良いくらい 大きな虹を見ることができ 楽しみのひとつでした。
ハワイと言えば木熟れの美味しいトロピカル・フルーツ そしてフラダンス。ダンサー達の生命力溢れる、踊りの素晴らしさもさることながら その足の形の美しさ、逞しさに感動・・・・。五本の指と、円い大きな踵はしっかりと大地を捉え 引き締まった土踏まずのきれいなアーチからは大地の気を思いっきり頂いている様です。きっと、彼らの辞書には外反母趾、偏平足などの言葉はないのでしょう。私が彫刻家だったら、モデルにして作品を制作したくなるのではないかしら。私は生け花でそんな気持ちを表現して見ました。
花材 インディアナ ・アンスリュウム ・アリストロメリア ・クルクマ ・ひまわり ・ミニ パイナップルの実
花器 イタリア製の壷 敷物 モンステラを模ったランチョンマット
>
ハワイと言えば木熟れの美味しいトロピカル・フルーツ そしてフラダンス。ダンサー達の生命力溢れる、踊りの素晴らしさもさることながら その足の形の美しさ、逞しさに感動・・・・。五本の指と、円い大きな踵はしっかりと大地を捉え 引き締まった土踏まずのきれいなアーチからは大地の気を思いっきり頂いている様です。きっと、彼らの辞書には外反母趾、偏平足などの言葉はないのでしょう。私が彫刻家だったら、モデルにして作品を制作したくなるのではないかしら。私は生け花でそんな気持ちを表現して見ました。
花材 インディアナ ・アンスリュウム ・アリストロメリア ・クルクマ ・ひまわり ・ミニ パイナップルの実
花器 イタリア製の壷 敷物 モンステラを模ったランチョンマット
>
今年は、早々と梅雨明けとなり猛暑に列島は悩まされています。エコ・省エネなどが声高に言われる昨今ではありますが、一時代前の様な消夏法はあまり効果を期待できません。岡山在住の私たちは瀬戸内気候の特徴とも言える湿気との戦いです。
気を取り直してクーラーなどの力を一部借りながらも、目・耳・肌・香りなどで感じる古来の消夏法を取り入れこの厳しい夏を凌ぎたいと思います。
(1) すだれ越しの生け花は庭の植物を背景に涼風を運ぶ
花材 ほたるがや ・クルクマ ・ほたるぶくろ
花器 備前火襷
(2) 青いガラスの掛け花
A 花材 レザーファン ・トルコ桔梗
花器 琉球ガラス
B 花材 庭の夏草 ・アリストロメリア
花器 琉球ガラス
緑の小さな実は、秋に熟して小鳥達のエサになります。
(3) キッチンの花
流し台の北側の窓から隣家の庭が見えます。無作為に植えられた多種多様の木や花から すだれ越しに涼風が送られてきます。
花材 トルコ桔梗 ・玉しだ ・ソリダコ
花器 ガラス花器
気を取り直してクーラーなどの力を一部借りながらも、目・耳・肌・香りなどで感じる古来の消夏法を取り入れこの厳しい夏を凌ぎたいと思います。
(1) すだれ越しの生け花は庭の植物を背景に涼風を運ぶ
花材 ほたるがや ・クルクマ ・ほたるぶくろ
花器 備前火襷
(2) 青いガラスの掛け花
A 花材 レザーファン ・トルコ桔梗
花器 琉球ガラス
B 花材 庭の夏草 ・アリストロメリア
花器 琉球ガラス
緑の小さな実は、秋に熟して小鳥達のエサになります。
(3) キッチンの花
流し台の北側の窓から隣家の庭が見えます。無作為に植えられた多種多様の木や花から すだれ越しに涼風が送られてきます。
花材 トルコ桔梗 ・玉しだ ・ソリダコ
花器 ガラス花器
花材 ・ひまわり ・ヘリコニア ・カスミ草
花器 ・ガラス器
せみ時雨の間をぬって近くの公園で遊ぶ子供たちの元気な声が響いてきます。日焼けした脚や腕、そしておでこは、汗まみれでしょう。子供の頃の夏休みは、思い出の宝庫の様なもの・・・・。
思い出すのは盛夏の昼下がり、母は大きな菜っきり包丁で、冷えたスイカを割ります。見守る家族の期待を裏切らないような半透明の瑞々しい赤。そしてあの、少し青くさい甘い香り。クーラー等の無い頃の、真夏の消夏法でした。今日の昼下がりは、しばし童心に戻ってひまわりを生けてみましょう。
もうひとつのひまわり
花材 ・ひまわり ・カスミ草
花器 ・ガラス花器
３０代の頃に観た映画で数十年経ても心に残るもののひとつがイタリア映画の"ひまわり"です。3人の男・女が戦争のため予想しない運命に翻弄される。そして優しさ故の別離、それぞれの人生を生きる。ひまわりの花を見る時、人の優しさと強さについて考えてしまいます。
花器 ・ガラス器
せみ時雨の間をぬって近くの公園で遊ぶ子供たちの元気な声が響いてきます。日焼けした脚や腕、そしておでこは、汗まみれでしょう。子供の頃の夏休みは、思い出の宝庫の様なもの・・・・。
思い出すのは盛夏の昼下がり、母は大きな菜っきり包丁で、冷えたスイカを割ります。見守る家族の期待を裏切らないような半透明の瑞々しい赤。そしてあの、少し青くさい甘い香り。クーラー等の無い頃の、真夏の消夏法でした。今日の昼下がりは、しばし童心に戻ってひまわりを生けてみましょう。
もうひとつのひまわり
花材 ・ひまわり ・カスミ草
花器 ・ガラス花器
３０代の頃に観た映画で数十年経ても心に残るもののひとつがイタリア映画の"ひまわり"です。3人の男・女が戦争のため予想しない運命に翻弄される。そして優しさ故の別離、それぞれの人生を生きる。ひまわりの花を見る時、人の優しさと強さについて考えてしまいます。