「アメリカとブッシュ、マジ許せねっすよ!」
アフガン空爆開始に世界を憂う後輩シキヅ君。前回(→こちら)はそんな彼の提唱する斬新な平和論を紹介した。それは
「ブッシュもビンラディンも一緒に『カードキャプターさくら』を見たら仲良くなりますよ!」
ということらしく、私の中では
「すべての紛争はサッカーで解決しよう」
という大空翼君の「サッカー世界平和宣言」と並ぶ「世界2大意味不明平和論」であるが、当人は大まじめである。
ところがである、この「萌え平和論」。思ったほどトンデモではないのではないか、という話をあるところで聞くこととなる。
それは岡田斗司夫さんの書いたコラム。
舞台はアメリカで行われたマンガやアニメの国際イベント。
世界中からファンが集まって、大友克洋といった硬派なところから、シキヅ君の語る萌えアニメまであれこれ語り合っていた。
当然そこには日本人もたくさんいるわけだが、あるアメリカ人が日本人としゃべっているとき突然暗い顔になったそうな。
どうしたのだろうかと心配していると、彼はポツリともらした。
「ボクはいつも心配なんだ。もしアメリカと日本が戦争になったらどうしようかと」
マンガの話をしているのに、急になんで戦争の話なのか。
みなが首をかしげていると、なんと彼はアメリカ空軍のエース・パイロットであるという。エースは続けて暗い顔で、
「でももし日本と戦争になったらイヤだ。他ならどこだっていい。ボクは国を愛している。ロシアでも、中国でも、イラクでも、たとえどんな強敵が相手でもボクは戦う」。
士気の高い男である。国を守る兵士は、こうでなくてはならない。
「でも、日本だけはダメだ。戦うことができない」。
ふーん。まあ、こっちも戦争はお断りだけど、なんだかえらく日本にこだわっているが、なぜなのかと問うならばエースはこう答えたという。
「だって、日本にはアニメスタジオがあるじゃないか!」
アニメスタジオがあるから攻撃したくない! どんな理由やアメリカ兵。
しかし彼は大マジメである。日本にはアニメスタジオがあり、日々すばらしい作品が生み出されている。まんだらけもある。アニメイトもある。秋葉原だってある。そんなところを破壊なんてできるもんか。
おまけに、日本を爆撃したら多くの「同志」も殺すことになってしまう。
アニメに出てくる東京はボクにとっては第二の故郷だ。たとえ大統領の命令でも、それだけは絶対にしたくないんだ。日本と戦いたくない!
そう叫んだそうである。戦争について悩む兵士の苦悩である。彼はそこまで一気に告白すると頭をかかえたそうだ。
えらい話である。空軍といえばアメリカのシンボルである。かの国で戦争といえばまずは空爆なのだ。イラクで、ユーゴで、アフガンで、ベトナム、太平洋で、彼らは英雄だった。
そんな「オラオラワシらは正義やから何やっても許されるんやオラオラ」といったルール無用の悪党、じゃなかった猛者であるアメリカ空軍のパイロットをして「戦争したくない」といわしめたのだからこれはすごい。
彼にとって日本は単なる極東の島国ではなく「ドラゴンボールの国」「セーラームーンの国」なのである。どうしてそこを、自らの手で破壊などできようか。
たしかに世界中の女の子に、
「鬼畜米英は敵やから、ディズニーランド破壊してミッキーマウス撃ち殺してこい!」
っていったら、絶対嫌がるだろうからなあ。
この話を聞いたとき思い出したのがシキヅ君であった。
「ボクはさくらを愛するいうんやったら、どんな国のどんな文化圏の民族とでも仲良くなれますよ!」。
日本のアニメ、世界平和に貢献しとるがな。
これらの話を聞いて私はシキヅ君の提唱する「アニメによる平和論」は意外と有効なのではないかと感じたものだ。少なくとも、しょうもない政治家の下手な外交や改憲論よりも、よっぽど現場レベルで嫌戦ムードを醸し出しているのではあるまいか。
実際、中国や韓国などはことあるごとに日本を嫌っていることをアピールするが、市民レベルではアニメやマンガ、特撮ヒーローなどが文化的に席巻している。
そのことが、反日ムードに対する大きな牽制球になっているのかもしれない。曰く、
「政治的に日本は嫌いだけど、『ワンピース』は好きだから、ケンカまではしたくないよ」
なんてね。
ひとりの日本人としては、シヅキ君の言う平和論が実現してくれると、うれしいなあ。
アフガン空爆開始に世界を憂う後輩シキヅ君。前回(→こちら)はそんな彼の提唱する斬新な平和論を紹介した。それは
「ブッシュもビンラディンも一緒に『カードキャプターさくら』を見たら仲良くなりますよ!」
ということらしく、私の中では
「すべての紛争はサッカーで解決しよう」
という大空翼君の「サッカー世界平和宣言」と並ぶ「世界2大意味不明平和論」であるが、当人は大まじめである。
ところがである、この「萌え平和論」。思ったほどトンデモではないのではないか、という話をあるところで聞くこととなる。
それは岡田斗司夫さんの書いたコラム。
舞台はアメリカで行われたマンガやアニメの国際イベント。
世界中からファンが集まって、大友克洋といった硬派なところから、シキヅ君の語る萌えアニメまであれこれ語り合っていた。
当然そこには日本人もたくさんいるわけだが、あるアメリカ人が日本人としゃべっているとき突然暗い顔になったそうな。
どうしたのだろうかと心配していると、彼はポツリともらした。
「ボクはいつも心配なんだ。もしアメリカと日本が戦争になったらどうしようかと」
マンガの話をしているのに、急になんで戦争の話なのか。
みなが首をかしげていると、なんと彼はアメリカ空軍のエース・パイロットであるという。エースは続けて暗い顔で、
「でももし日本と戦争になったらイヤだ。他ならどこだっていい。ボクは国を愛している。ロシアでも、中国でも、イラクでも、たとえどんな強敵が相手でもボクは戦う」。
士気の高い男である。国を守る兵士は、こうでなくてはならない。
「でも、日本だけはダメだ。戦うことができない」。
ふーん。まあ、こっちも戦争はお断りだけど、なんだかえらく日本にこだわっているが、なぜなのかと問うならばエースはこう答えたという。
「だって、日本にはアニメスタジオがあるじゃないか!」
アニメスタジオがあるから攻撃したくない! どんな理由やアメリカ兵。
しかし彼は大マジメである。日本にはアニメスタジオがあり、日々すばらしい作品が生み出されている。まんだらけもある。アニメイトもある。秋葉原だってある。そんなところを破壊なんてできるもんか。
おまけに、日本を爆撃したら多くの「同志」も殺すことになってしまう。
アニメに出てくる東京はボクにとっては第二の故郷だ。たとえ大統領の命令でも、それだけは絶対にしたくないんだ。日本と戦いたくない!
そう叫んだそうである。戦争について悩む兵士の苦悩である。彼はそこまで一気に告白すると頭をかかえたそうだ。
えらい話である。空軍といえばアメリカのシンボルである。かの国で戦争といえばまずは空爆なのだ。イラクで、ユーゴで、アフガンで、ベトナム、太平洋で、彼らは英雄だった。
そんな「オラオラワシらは正義やから何やっても許されるんやオラオラ」といったルール無用の悪党、じゃなかった猛者であるアメリカ空軍のパイロットをして「戦争したくない」といわしめたのだからこれはすごい。
彼にとって日本は単なる極東の島国ではなく「ドラゴンボールの国」「セーラームーンの国」なのである。どうしてそこを、自らの手で破壊などできようか。
たしかに世界中の女の子に、
「鬼畜米英は敵やから、ディズニーランド破壊してミッキーマウス撃ち殺してこい!」
っていったら、絶対嫌がるだろうからなあ。
この話を聞いたとき思い出したのがシキヅ君であった。
「ボクはさくらを愛するいうんやったら、どんな国のどんな文化圏の民族とでも仲良くなれますよ!」。
日本のアニメ、世界平和に貢献しとるがな。
これらの話を聞いて私はシキヅ君の提唱する「アニメによる平和論」は意外と有効なのではないかと感じたものだ。少なくとも、しょうもない政治家の下手な外交や改憲論よりも、よっぽど現場レベルで嫌戦ムードを醸し出しているのではあるまいか。
実際、中国や韓国などはことあるごとに日本を嫌っていることをアピールするが、市民レベルではアニメやマンガ、特撮ヒーローなどが文化的に席巻している。
そのことが、反日ムードに対する大きな牽制球になっているのかもしれない。曰く、
「政治的に日本は嫌いだけど、『ワンピース』は好きだから、ケンカまではしたくないよ」
なんてね。
ひとりの日本人としては、シヅキ君の言う平和論が実現してくれると、うれしいなあ。