失敗した買い物は体重を落としてリベンジ! 財布にやさしい「ムダ使いリカバリー・ダイエット」 その3

2016年12月15日 | コラム

 前回(→こちら)に続いて、ダイエットに成功した話。

 腹式呼吸にグレープフルーツにビリーズブートキャンプと、世にダイエットは数あるが、私の提唱する「無駄づかいリカバリー・ダイエット」も、なかなか効果的である。

 やり方は簡単。ふだんの生活で「無駄遣い」や「損な買い物」をしてしまったとき、その損失の「差額」が埋まるまで、ちょっとずつ食べ物を減らすのだ。

 このダイエットのいいところは、ちまちましているけど、

 「買い物の失敗を取り返しつつ、健康的に痩せることもできる」

 ところであり、体にも財布にもやさしい。

 さらにいいところは、

 「ストレスの軸をずらすことができる」

 この効用が、もっともおすすめポイントだ。

 単に「損した」気分を取り戻すだけの節約とか、ダイエットでおかずを一品減らすだけというのは、誰でも思いつく話である。

 だがこれを、単体でやると思ったよりもしんどい。

 節約は気分がみみっちくなるし、食べ物が貧相になるのは悲しい。

 最初はいいが、一月二月となるとオリのようにモヤモヤがたまっていき、あるとき突然爆発。「やってられっけ!」とストレス解消の買い物やドカ食いに走る。

 それで財布も体重もリバウンド。典型的な、ダイエット失敗パターンだ。

 ではそれと「リカバリー・ダイエット」はどこが違うのかといえば、ストレスを感じたときに、一方からもう一方にスライドさせることができる。

 たとえば「無駄づかいした」「ちまちま節約して、みっともない」となったときには、そのことを悩むのではなく、

 「あ、でもこれでダイエットするいい機会になるわ」

 「3000円ムダにしたけど、その分カロリー減らしたら、2キロはいけそう」

 「節約」から「体重」に気持ちを持っていく。

 金をケチるのは気分的にマイナスだが、やせることはプラスだ。これで多少、気分は相殺する。あまり気持ちが落ちない。

 逆もまたしかり。「はあ、今日もまた肉なしのカレーかあ」とか「体重減らないなあ」なんてため息つきたくなっても、

 「でも、その分失敗した買い物をなかったことにできるから、いいよね」

 そう思える。やはり、気持ちが落ちない。100%とまではいかないが、かなりマシになる。

 文章で書いていると、「そんなもんかねえ」と半信半疑だろうが、実際にやってみると、想像よりも、存外メンタルに効くのがわかっていただけると思う。

 人はしんどいときに、それをむち打って「がんばろう」というのは、やがては限界が来るが、

 「こっちはだめでも、あっちでいいことあるから、いいよね」

 そうやって気持ちを少しずらすだけで、ずいぶんと楽になるのだ。

 「金」「体重」というリアルで重いものと直接向き合うのではなく、うまく「散らす」ことによって、気持ちを落とさない。

 結果、体にも財布にも心にもやさしい、ポジティブなノリでやせられる。

 以上が、私の提唱する「無駄づかいリカバリーダイエット」だ。

 元は、古本屋めぐりが趣味の私が、せっかく買った本が他の店やネット書店でさらに安く売っているのを見て、そのくやしさのために、

 「この差額分、おやつのチョコレートやおせんべいをガマンすることによって取り返せんやろか」

 なんてことをやってみたら、いつのまにかやせていたことからはじまったのだ。

 この「いつの間にか」というノンストレスなところがポイントだ。

 あともうひとつグッドなのは、このダイエットには

 「終わりが見えやすい」

  ダイエットでキツいのは、体重を落とすための努力ではなく、

 「その努力を一生続けなければならない」

 という重い十字架を背負うこと。

 ダイエットにかぎらす、禁酒禁煙などもそうだろうが、心が折れる瞬間というのは、

 「今は耐えられる。でもこのガマンを、酒を、煙草を、チョコレートを、これから自分は一生心から楽しむことができないのだ」

 こんな考えが、ふと脳裏によぎる、このときなのだ。

 これはねえ、泣きます。そんな大げさなというなかれ。なにをかくそう、私自身が泣いたことがあるからよくわかる。

 「一生」「死ぬまで」「永遠に」。号泣しました。いや、マジで。

 でも、この「リカバリー・ダイエット」なら、そんな苦悩も軽減される。

 なんといっても、これには「ゴール」があるのだから。「差額」に達成すれば、そこでやめてよい。

 で、それだけでも、意外と数キロくらいなら減るもんです。

 え? 減らなかったらどうするって? 

 安心してください。よほどのキッチリした人でなければ、世に「損した」と思うときの種は尽きまじ。

 何日かしたら、また別のところで「あ、やってもうた」と思うときが来ます。

 ほかにも、「人におごった」ときとかにもいいかもしれない。結婚式の招待状が来たときとか、想定外の出費でも、すぐに作戦発動。チョビチョビきざんで、身も財布も軽やかに。

 おっと、そんなこといってる今日も、ネット通販で買ったSFアンソロジー『ワイオミング生まれの宇宙飛行士』が、近所のブックオフだと300円安く入荷してたぞ!

 嗚呼、損した! じゃあ、最近ハマッてる「塩入芋けんぴ」を300円分ガマンするか。

 一袋150円やから、2日やめればええんやね。これでリカバリー。

 やった、これで1200カロリー分得した!



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