博多大吉先生、TBSラジオ『たまむすび』で若者のテレビ離れについて語る

2017年06月09日 | ちょっとまじめな話
 「今の若い子はね、テレビがおもしろくないんじゃなくて、わからないらしいんですよ」

 水曜日の昼下がり、TBSラジオ「赤江珠緒のたまむすび」で、そんなことをおっしゃったのは、お笑い芸人の博多大吉さんであった。

 昨今、若者のテレビ離れが進んでいると言われている。

 その理由として、ネットの普及や、不況による制作費の低下、過剰な自主規制や、単純に面白くなくなったなど様々な原因が語られているが、大吉先生はそこにもうひとつ、上記の理由をあげたのである。

 きっかけは、先生が若い子と話す機会があった際、「なんでテレビ見んの?」みたいな流れになり、やはり「見るものがない」「動画サイトで見る」などの答えとともに、

 「出てるタレントさんの話していることが、いまいちよくわからないんです」。

 言うまでもなく、この場合の「わからない」は理解力云々のことではない。そもそも、彼ら彼女らが今のテレビが「わからない」のは番組の内容や質でなく、ましてや若者の教養不足でもなく、

 「単純な世代間のギャップ」。

 ということらしいのだ。

 大吉先生の分析では、今のテレビ界、特にお笑いの分野に関しては、アラフォー世代の中堅組が席巻している。

 なれば自然と、番組内の話題なども、そういった人が語りやすく、また同じくらいの世代の共感を呼ぶ内容に偏ってしまい、テレビ番組や流行り言葉、子供のころの遊び、好きなアイドルやファッションなども、だいたいが、

 「昭和40年代後半から、50年代前半生まれ」

 の、それも男の知識や趣味が、如実に表れるものとなってしまう。

 で、若い子からしたら、そもそも昔のことだからわからないし、そこから生まれるノリにもついていけない。

 平たく言えば「オッサンの話とか、知らんがな」ということなのだ。

 なるほど、そういわれると、うなずけることはある。

 以前、漫画家の山田玲司先生が、

 「テレビってさ、今の子見ないじゃん。だから、アメトークってキン肉マンとかガンダムとか、《40歳くらいの男が昔をなつかしむ番組》になってるよね」

 とおっしゃられて、元ヤンキースの松井秀喜さんと同期生のまさに「アラフォー」の私には「たしかに」とうなずけるところはあった。

 私も以前から、テレビで漫才やコントなど見ていて、マンガのネタのとき判で押したように、『ドラゴンボール』や『北斗の拳』をベースにし、スポーツや恋愛がテーマのトーク番組では

 「『タッチ』の南ちゃんみたいなマネージャーが」

 とお約束のように語りだし、ゲームはマリオかドラクエ、アイドルといえばおニャン子、お笑いのスターは今でもダウンタウンやとんねるずであり、そのチョイスが「ベタ」なのはテレビという媒体上しょうがないのかもしれないけど、

 「それって、オレらの世代以下の子らに、ニュアンスちゃんと伝わってるの?」

 そこを危惧するところはあった。

 しかしまあ、そうはいってもモノがモノである。いくら「古い」ものとはいえ、バブル時代のノリや、「宮沢りえのヘアヌード写真集」といった話題は、美空ひばりや『サザエさん』のような、

 「世代を超えてだれでも知ってる教養」

 だと思ってもいたものだ。

 どっこい、これがまったくの我田引水というか、勝手な思いこみであったことを知らされたのは、やはりあるラジオ番組であったのだ。



 (続く→こちら



コメント (2)
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