「チャーリー・シーンこそが真の男である!」と独眼鉄先輩は言った

2018年01月02日 | 映画
 チャーリー・シーンこそは、男の中の男と呼ぶのにふさわしいのではないか。

 男にはそれぞれ「アニキ」や「師匠」と呼びたくなる人物が存在する。

 プロレスファンならアントニオ猪木、『サイキック青年団』の竹内義和さんや『三四郎のオールナイトニッポン0』の相田アニキなど、そのチョイスは様々であろうが、私にとってそれに値するのはチャーリーを唯一とする。

 チャーリーのアニキは、とにかく言動のスケールでかい。そしてゲスい。

 『プラトーン』や『ウォール街』などで大ブレークしたこの男が、なかなかにオレ様であるということは噂では聞いていたが、町山智浩さんの『教科書にのってないUSA語録』によれば、それは私のような凡夫の想像をはるか超えるものだった。

 たとえば2009年、アニキはラリって3番目の妻に暴力をふるい、矯正施設にぶちこまれるという事件を起こす。

 まあ、これだけだったら、スターにありがちなスキャンダルだが、チャーリーのアニキはここからがちがう。

 日本なら神妙に謝罪会見でもして、その後1から出直すか、もしくは似たようなショボイ事件を起こして、また逮捕とか。まあ、そのあたりが相場であろう。

 ところがアニキは2011年にはコールガール5人(!)を自宅に呼んだうえに、コカインの過剰摂取で強制ER入り。

 番組プロデューサー(ユダヤ系)に

 「だからドラッグはアカンて、チャーリー」

 なんて注意されると逆ギレして、ラジオで差別発言をガンガンにカマしまくる。

 さらには、テレビ局のスタッフをかたっぱしから呼び出して、ずらっと自宅に並べ、


 「CBSはオレに謝罪すべきだ。公開で、ひざまずいて、オレの足を舐めながら」

 「(中毒矯正プログラムなんて)虎の血の入ってない凡人のためのもんさ」

 「オレの脳みそに5分でも入ってみれば誰だって、『コイツは僕には制御できない!』って叫ぶはずだぜ!」



 カッコよすぎるセリフを大連発。

 さらにはCBSにギャラ5割り増しの180万ドルを要求。


 「家族を食わせたいから」


 と、なかなか殊勝な理由ではないかと感心しそうになるが、アニキの言う家族とは別れた妻と5人の子供ではなく、同棲している自分の娘ほどの年齢のAV女優とヌードモデルのこと。

 ちなみにこのふたりは、チャーリーと前妻との間に出来た双子ちゃんの世話をしているという。うーん、なんたるフリーダムな「家族」!

 アニキ曰く、一夫一妻など凡人のやることで、


 「オレはもう火星から来たロックスターのフリをするのは飽き飽きした」


 そうであり、素人はおとなしくオレのショーを見学してな! と、うそぶく。


 「俺はこんなエロい娘たちと朝から晩までセックスして、自家用ジェットで世界を旅している。頂点に立つのは孤独だが、ながめは最高だぜ!」


 思わずこっちも「最高だぜ! いろんな意味で」とキメたくなる勢いだ。

 とどめの一言が、またイカす。このセリフをカマしたとき、アニキはめずらしくシラフだったらしいが、


 「オレはキメてるよ、チャーリー・シーンという名のヤクをね」


 そういってニヤリと笑ったというのだ。うわー、マジで、超カッケー!

 町山さんのコラムはどれもおもしろいけど、このチャーリーをあつかった回は、もう感動と爆笑で腹がよじれた。その勢いと強烈さとバカさ加減は、まさに「男の中の男」の称号にふさわしい。

 内田樹先生はその著書の中で、

 「あなたの師を探しなさい」

 と再三述べておられるが、私の師はまさにチャーリーのアニキしかあり得ないな。

 もう、一生着いていきますよ、ホント。
 
 というわけで、私の今年の目標は、いきなり兄貴のようになるのは無理だから、まずはその前段階として「火星から来たロックスターのふりをする」ところからはじめたい。

 2018年も、よろしくお願いします。





コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする