サウジアラビアが観光ビザを発給するという。
旅行が趣味でいろんな国の観光情報などを集めていると、結構いろいろと、
「行きたくても行けない国」
というのが出てくるもの。
シリアやイエメンのような、「いつか行きたいなー」とボーっとしてたら戦争や内戦でそれどころじゃなくなったり(早く平和が戻ってほしいです)。
昔のビルマやラオスのように国境が閉まっていて、
「今、開いてるぞ、急げ!」
「もう閉まったらしい、残念や」
旅行者が一喜一憂させられたり、旧ソ連や北朝鮮のように
「制約ありまくりのツアーならゆるす」
とのことで個人旅行は無理とか。
あとはサウジアラビアやトルクメニスタンなど
「観光客お断り」
という国だが、このたびサウジが観光業に力を入れるべくビザを出すことを決意したそうで、中東やイスラム圏のファンにはうれしい情報であろう。
となると気になるのが、イスラムの戒律などの制約である。
サウジのみならず厳格なイスラム国家は、われわれ「異教徒」への要求が多く、そこがめんどくさいことがある。
私はトルコやチュニジアのような、比較的ゆるめのイスラムな国しか行ってないが、これが宗教色の強いイランとかだと、少しばかり話が変わってくるのだ。
女性はスカーフで髪を隠さなくてはならないとか、アルコールは一切ダメとか。
あとは宗教警察(あるんですねコレが)がうるさいとか、イスファハンやペルセポリスなど、その観光的魅力にもかかわらず、息苦しく感じる人もいたようだ。
そこでサウジはどうかと、バックパッカー専門誌『旅行人』の編集長であった蔵前仁一さんのツイートを見てみると、ビザ発給のため「やってはいけないこと」があって、
●5秒以上見知らぬ人を凝視する事
●名前を呼ぶ事
●女性と子どもに対する悪戯
(男性が現地の女性に話しかける事もダメ)
●大音量の音楽の再生
●不謹慎な衣服はダメ
●公共の場で短パンまたは白い下着を着ること
●猥褻と見なされる行為や容姿はダメ
●人を撮影することはダメ
思わず、
「ひとーぉつ! 5びょういじょうみしらぬひとをぎょうしすることぉ!」
「することぉ!!」
「ふたーァつ! なまえをよぶことぉ」
「ふたーァつ! なまえをよぶことぉ!!」
なんて体育会系居酒屋か、お笑いコンビ「いつもここから」のノリで復唱してしまいそうだが、予想通り、なにかとめんどくさそう。
「人を凝視」は、まあ失礼になりやすいかもしれないけど、「それでビザを出さん」とはなかなかキビシイ。
私もド近眼なので気をつけたいところだ。
「撮影」も、女性を撮ったらダメってことなのだろうか。
まあ、旧ソ連とか入国等にうるさい国で、うかつにカメラを出したり絵を描いたりすると
「スパイ容疑」
なんてことにもなりかねないのは、『この世界の片隅に』にもある描写。
なんで名前を呼んだらダメなんだろう。『ゲド戦記』に出てくる「真の名前」みたいな話だろうか。
それとも宗教的タブーか。でも、イスラムの人って「インシャラー」とか、結構ライトに神様の名前は呼ぶんだけどね。
かくして、未知の国サウジアラビアの謎は深まるばかりである。