王位獲得記念特集「木村一基ならこう指すね」 vs藤井猛 2012年 第70期B級1組順位戦

2019年09月30日 | 将棋・好手 妙手

 木村一基が王位になった。

 ということで、前回はそのお祝いに木村一基王位の名局を紹介したが(→こちら)、今回もその持ち味が存分に出た珍局(?)を。

 2012年、第70期B級1組順位戦

 相手は前回と同じく藤井猛九段

 藤井の角交換振り飛車から、やはり木村が自陣飛車を打つ独特の戦いを見せる。

 むかえたこの局面。

 

 

 ここからの2手を当てたアナタは気ちが……もとい個性派プロ級の腕前と言っていいでしょう。

 やはり、ブロンソンズのごとく「木村一基ならこうやるね」と、したり顔で選びたいのは……。

 

 

 

 

 ▲36飛が、のけぞるような異能感覚

 まあ、そりゃ先手陣はコビンが攻められていて、どこかで△66歩の突き捨てとかイヤらしいけど、それにしたって、スゴイところに手が伸びるもんだ。

 さらに、これに対する藤井の手もブッ飛んでいる。

 

 

 

 

 △66飛と打ちこんで勝負と。

 先手が飛車を投入してまでコビンを受けているのに、「ゆるさん」とに飛車。

 なんだか、意地意地のぶつかり合いがすごく、2枚の飛車の形も異常で目が回る。いやあ、熱いですわ。

 この将棋は中終盤の攻防も見ごたえたっぷりで、ぜひ盤に並べて味わってほしいが、終盤の決め手がまた木村っぽかった。

 

 △46角と後手が銀を取ってせまったところ。

 ▲同金△57銀で受けが難しいが、ここではすでに見切りであった。

 

 

 

 

 

 ▲58玉とあがるのが、「千駄ヶ谷の受け師」らしい力強い玉さばき。

 以下、藤井も懸命に攻め続けるが、最後まで切っ先は届かなかった。

 それにしても、木村の飛車とか竜は、いつも自陣にいるなあ。

 

 

  (羽生善治の寄せ編に続く→こちら

  (木村一基の無冠時代の苦闘は→こちら

 

 

 


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