ネパールに行ってきた。
ネパールといえば一見マイナーなようだが、ヒマラヤ・トレッキングを目当てに世界中から登山愛好家が集まるところ。
それだけでなく、物価が安く、人心もおだやかで、治安も良好でメシもうまいと、旅行者にもすこぶる評判がイイ。
そもそも首都カトマンズや、トレッキングの街ポカラはヒッピーやバックパッカーの聖地とも呼ばれる「沈没地」であり、その魅力は語りつくせないほど存在するのだ。
かくいう私もヤングのころから行きたかったが、2000年代は政情が安定せず、なかなか良いタイミングがなかったのだ。
そこで今回、
バリ島(雨季に突入)
ミャンマー(政情不安)
ウズベキスタン(冬になった)
ヨルダン(平和になったらイスラエルとセットで行きたい)
といったライバルたちを退け、ついに念願かなうこととなったのだった。
やることはなにはなくとも、とにかくトレッキング。
ネパールといえばトレッキングであり、当のネパール人も、
「トレッキングしないでネパールに来るなんて意味不明やね」
とまで言うほどだが、それにくわえてヒマラヤの絶景も楽しみ、ついでに湖リゾートのポカラでまったりしたい。
完璧な計画だ。
というと、私のような素人がトレッキングなんかできるんかいな、装備とかはどうするのかという疑問は生まれるかもしれないが、それは大丈夫。
ネパールは観光立国なので、登山に関しても設備は充実。
ポカラやカトマンズで防寒具や登山靴、バックパックからテント、ノースフェイスなど有名ブランドのバッタモンまですべて売ってるし、なんならレンタルもできる。
トレッキングコースも13泊14日とか、夢のエベレストにアタックみたいなガチなものから、日帰りでハイキングみたいな初心者コースまで選択肢も豊富だ。
ホテルや旅行代理店でツアーやガイドも頼めるし、日本語ができるスタッフもいるとか、マジで着替えと歯ブラシだけ持って行っても山に登れるのだ。
なので、登山と言えば高校の耐寒訓練で、地元のゆるい山道を歩いたくらいのド素人な私でも問題なし。
思えばあのときは、
「訓練と言えば行進曲やな」
と言うことで、班のみんなで
「軍艦行進曲」
「加藤隼戦闘隊」
「月月火水木金金」
などを合唱し、第二次大戦のことを
「大祖国戦争」
と呼称する思想的におもしろい学校だった、わが大阪府立S高校の先生たちの眉をしかめさせたり。
はたまた、行軍中やってた「しりとり」の罰ゲームで、
「走ってくる車に向かってファイティングポーズを取る」
みたいなのをやったら、たまたまその車が窓がシャドーがかった黒のベンツで、いきなりバックして追いかけられて尿ちびりそうになったり。
今でもスピルバーグの『激突!』という映画を観ると、このときのことを思い出しますねえ。おーコワ。
そんなステキな思い出が作れればと想いをはせながら出かけたネパールは、評判通り良いところでした。
ネパール人は日本で働いていたという人も多くて、日本人に好意的。
「全然、日本人がきてくれなくて残念」
そうなげく人も多かったので、御用とお急ぎのない方は次の休みにでも、ぜひ出かけてみてはいかがでしょうか。