前回に続いて、施川ユウキ『バーナード嬢曰く』に出てきた本、何冊読んだかの第6巻目後半。
■横山雅司『本当にあった! 特殊乗り物大図鑑』(未読)
学生時代、ドイツ文学科にいたんだけど、そこでゴリアテとかマウスとかドーラとか、
「こんなに笑える、おもしろドイツ軍兵器」
ていうレポートを発表したが、2人くらいに大ウケで残りはポカーンだった。
特に女学生と教授は露骨にイヤな顔をしており、この「大人と女性にウケない」という弱点は、いまだ克服できてはいない。
■フランツ・カフカ『カフカ短編集』(未読)
独文科出身のくせに、カフカは苦手(カフカはチェコ人だけど)。
南米文学大好きだから、合わないことはないんだろうけど、全然おもしろく感じないのだ。
■トーべ・ヤンソン『新装版 ムーミン谷の彗星』(未読)
なんでみんな、あんなにスナフキンが好きなんだろう。
私の周りには「リアル・スナフキン」な人が何人もいるけど、ギター弾く無職だったり、詩を書く家無しだったり、たぶん人気出なさそうなんだけど。
まあ、話すとメッチャおもしろいんだけど。
■清水義範『国語入試問題必勝法』(読了)
岸部一徳さんのドラマ版はけっこうおもしろかった。
よく「読書は国語の勉強に最適」という人がいるけど、それはクソほど本を読んで現代文が苦手だった私の存在で、完全に否定される。
私の見立てでは国語の成績がいい人は、読書がどうとかではなく、ふつうに頭がいい人か、「空気を読める」人。
要は出題者が「こう答えてほしい」と意図するところをキャッチできる優秀な人だ。
一方、読書好きで点を取れないのは、テストの意味をはき違えている人。
問題を「論理的」に読み解くのではなく、「センス」を見せようとする。
「そう、出題者はきっと、ここで【感動した】とか書いてほしいんだろ? でも、そうはいかねえ。ここでオレ様のスーパー超解釈で、文学界に一石投じてやるぜ! まさに天才あらわる、震えて眠れ!」
みたいな阿呆は赤点まっしぐらです。昔の自分に、猛説教だ。
■筒井康隆『家族八景』(読了)
七瀬シリーズといい、筒井の小説は生々しくエロいことが多い。
■中島敦『山月記・李陵』(読了)
太宰治『人間失格』と並ぶ、中2病文学の名作。
でも個人的には、この作品に共感する人は、なーんか信用できない。
なんとなく、「オレは努力するつもりはない」って宣言されてるような気がして、なんだかなー。
ほんで、オジサンになって飲み屋で
「自分は本当は才能があって、あのとき努力してたら、今ごろは……」
とか特に根拠もない「元天才」として自己陶酔を楽しむ未来が見えて、そんなの聴きたくないもん。
私は意外と、今を前向きにがんばる人が好きなのだ。
■原ゆたか『かいけつゾロリ ちきゅうさいごの日』『かいけつゾロリのめいたんていとうじょう』(未読)
読んだことないなあ。
■ジュリアン・バーンズ『終わりの感覚』(未読)
読んだことないけど、あらすじ読んだらおもしろそう。
■コナン・ドイル『シャーロック・ホームズの冒険』(読了)
新潮文庫版は、いつ「完全版」になるんだろう。
■劉慈欣『三体3 死神永生 下』(未読)
積読です。『折りたたみの北京』も買って、まだ読んでないんだよなー。
■フリオ・リャマサーレス『黄色い雨』(未読)
スペイン語圏文学はアタリが多い。買おうかなあ。
■ジョン・クラカワー『荒野へ』(読了)
なんかこういう「若者の自分探し」的なお話には全然惹かれない。
いや、沢木耕太郎の『深夜特急』とか好きだから、嫌いではないんだろけど、自然がどうとか独力で生きる力とか、「意識高い」感じが合わないのかも。ちょっとヒッピームーブメントっぽいというか。
沢木さんも自らの旅のことを「酔狂」と定義づけて、そういう匂いをなるたけ消そうとしていたフシもあるし。でも、本の方はとてもおもしろいです。
あと「架空のキャラと、実在の人物の死を同列に並べていいのか」問題に関しては、なんか、別にいんじゃね? としか思わなかったなあ。
■ジーン・ウルフ『デス博士の島その他の物語』(未読)
読んでません。
しかし、なんか、『ド嬢』もすっかり物語の雰囲気が、変わってしまった印象。
私は前の能天気なノリの方が好きだけど、こっちの「友情編」の方がウケがよさそうなのはわかる。