「俺たちを【バーラト】と呼べ!」
突然にそんな声明を出したのは、インドのモディ首相であった。
こういう「インド」=ヒンディー語だと「バーラト」
みたいな、われわれになじんだ名称と正式名称に乖離があるケースが結構あるというのは、前回色々と紹介した通り。
インドがバーラトとかギリシャがエラダだけでも困惑なのに、私のようにわりとガチで「第2外国語」をやった人間だと、より混乱を極める。
学んだのはドイツ語だが、ドイツが「Deutchland」(ドイチュラント)で、オーストリアが「Österreich」(エスタライヒ)とか全然違う。
「ウィーン」(Wien)は「ヴィーン」だし、しかも英語だと「ヴィエナ」(Vienna)だったり。
「ケルン」(Köln)なんかもドイツ語では「ケルン」でもケルン語(方言の一種)だと「ケーレ」に近かったり。
英語だと「コロン」で「オーデコロン」は「ケルン水」の意味だけど、「オー」はフランス語だからなぜか英語とチャンポンになっており、正確には「オーデュコローニュ」の方が近い。
まあ、日本語はそのへんアバウトで便利というか、「半チャーハンのセットメニュー」とか、もはや何語かもわからないけど全然通じるのがスゴイ。
なんて呼称も様々なうえに、そもそも「ケルン」の「エ」はウムラウト入ってるから、「オの口の形でエと発音」とか、いちいち油断ならないのだ。
ただ、ドイツ語は英語の親戚みたいなものだから、「Italien」「Spanien」「Schweiz」あたりは普通にわかるところ。
また、「Ungarn」「Russland」「 Griechenland」なども類推が効きそうだが、「Frankreich」あたりだと、歴史的教養が試されるようでプレッシャーだ。
まあ、ドイツ語はまだマシとして、最近かじっているフランス語だと、さらにややこしくなる。
昔、フランスを旅行したとき、過去のワールドカップの特集みたいな番組を見て、国名が全然わからなかったのにはまいった。
「Allemagne」
「Royaume-Uni」
「Pays-Bas」
「Autriche」
なんのこっちゃの、わからんちんともとっちめちん。
いや、これが他の国だと「Belgique」「Suède」で、なんとなくわかるけど、割とフランスと近い国でこんなにわかりにくいのもスゴイ。
3つめは「ペイ-バ」と読んで、フランス語の意味がわかれば「あー、あれか」となるかもしれないけど、これだけ聞いたらサッパリである。
あと、イタリアで本屋に入ったらガイドブックに「Londra」「Parigi」とあって、なんで同じローマ字使ってるのに、こんな微妙に変わってまうねんと、つっこみたくなった。
まあ、そんなこといったら日本語の「イギリス」とかも全然通じないし、漢字も中国とか台湾と微妙に違うんですけどね。
ちなみに「日本」はどう呼ばれているのかと言えば、英語が「ジャパン」はおなじみとして、フランス語では「ジャポン」。
ドイツ語では「ヤーパン」で、ポーランド語では「ヤポニア」ときて、アラビア語圏では「アルヤバン」に、トルコ語では「ジャポンヤ」。
「ジパング」をベースにしているのだろうが、それなりにバラエティーあふれている。
個人的にはスペイン語の「ハポン」がマヌケでお気に入りだが、どうか。
■おまけ 国名クイズの答え
「Italien」(イタリア)
「Spanien」(スペイン)
「Schweiz」(スイス)
「Ungarn」(ハンガリー)
「Russland」(ロシア)
「Griechenland」(ギリシャ)
「Frankreich」(「フランク人の帝国」の意でフランス)
「Allemagne」(ゲルマンの部族「アレマン人」からドイツのこと)
「Royaume-Uni」(イギリス)
「Pays-Bas」(「低い国」でオランダ)
「Autriche」(オーストリア)