Liner Notes

観たこと、聴いたこと、読んだことを忘れないように印象に残った光景を栞として綴ってみました

#2「水面に躍る鯉」

2012-10-10 | Liner Notes
 水面を撮らえることは結構興味があります。流体力学を専攻していた大学生の頃、研究室に暗室があって教授や先輩が渦をカメラで撮って可視化していたのをよく覚えています。

 水の流れという自然現象の中で普遍的な法則性を見出だそうというアプローチ。よくは覚えていませんが、航空機の翼や自動車の形状デザイン等に応用できるものだったと思います。

 でも、ここ5、6年は水面を撮らえる時、そういう法則性よりも決して再生することのない一瞬になにかしら価値を覚えます。

 不規則な波が彩る光のきらめきと波間に躍る鯉、そして水を透過して反射する石苔、「あっ、いいな!」という一瞬を記憶に留めたいと思います。

初稿 2012/10/10
校正 2021/04/28
写真 水面に躍る鯉
撮影 2010/08/20(岡山・後楽園)