Liner Notes

観たこと、聴いたこと、読んだことを忘れないように印象に残った光景を栞として綴ってみました

α50G「バネッサ」 朝倉響子, ---?.

2023-12-02 | Exhibition Reviews
 生まれてから現在までに経験したありとしあらゆる物事や出来事はすべて記憶できないにしても、意識の外側に在るとされる無意識の領域に記録されているという考え方があるそうです。

 写真は、人生の瞬間的な一断面の事実に過ぎないにしても、そんな無限の貯蔵庫のなかから関連する記録を呼び起こして、撮る〈わたし〉と観る〈あなた〉それぞれにとって新たな物語を創るのかもしれません。

 ところで、長い指を絡ませることなく、力を抜いた肩に添わせるその姿は、"ありのままの〈わたし〉"を知った安心感を覗かせているような気がする一方で、解いた髪をしっかりと結い直したその姿からは、"あるがままの〈わたし〉"に自信を持ち始めたような気もします。

 ひょっとしたら、これら一連の作品は、「あなたが〈あなた〉であるとは、どういうことなのか」という物語なのかもしれません。※

初稿 2023/12/02
写真 「バネッサ」朝倉響子, --?.
撮影 2023/01/25(東京・グランドヒル市ヶ谷)
注釈 ※)
α46G「ローリー」 朝倉響子, ---?.
α47G「フラワー」 朝倉響子, ---?.
α48G「リサ」 朝倉響子, ---?.
α49G「スーザン」 朝倉響子, ---?.