Liner Notes

観たこと、聴いたこと、読んだことを忘れないように印象に残った光景を栞として綴ってみました

∫5「綿業会館」 大阪・備後町, 1930.

2013-08-10 | Architecture
 毎朝の通勤路である船場から三休橋筋にひときわ重厚感のある建物が佇んでいます。

 数々の国際使節団が利用した昭和外交史の舞台のひとつであり、外観だけでなく各部屋毎の空調も想定したダクト構造や耐熱性の窓ガラスに織り込まれたワイヤー等、当時としては先駆的な施しを設けています。

 歴史的建築はとかく外観や内装に眼がいきがちですが、設備としての機能配置や設計思想も眼をひかせてくれます。

初稿 2013/08/10
校正 2021/02/27
写真「綿業会館」村野藤吾, 1930.
撮影 2013/07/17(大阪・備後町)

∫4「原田産業ビル」 大阪・南船場, 1928.

2013-08-09 | Architecture
 大阪・相生橋筋の東隣、三休橋筋を北へ十分ほど歩くと重厚感のある石材が醸し出す風格と縦長の窓やバルコニーで構成された斬新なデザインを擁した建物に巡り会います。

 本来ならば、もっと大きい建物であってもよい感じですが、なにかしらその一部分だけを抜き出したようなところが、どこかしら眼を奪う存在感があります。

 そんな建物が歴史的建築として保存され続けているのでなく、いまもなお現役で使われ続けているところが大阪のいいところだと感じます。

初稿 2013/08/09
校正 2021/02/28
写真 原田産業ビル, 1928
撮影 2013/07/17(大阪・南船場)

∫3「丸福珈琲」 大阪・千日前, 1934.

2013-08-08 | Architecture
 道頓堀・戎橋から東へ歩いて五分、相生橋筋と交わる辺りにある昭和九年創業の老舗。

 慌ただしい日常のなか、ちょっとだけ頭の中を整理したり、ほんのちょっとだけ日常の出来事を違った視点で眺め直したい。

 僕にとって、そんな時に立ち寄る隠れ家のひとつが、大阪・千日前の「丸福珈琲」です。

 どの街に住んでも、何処かに見つけたい場所のひとつです。

初稿 2013/08/08
校正 2021/03/01
写真 丸福珈琲, 1934.
撮影 2013/08/04(大阪・千日前)

∫2「松竹座」 大阪・道頓堀, 1923.

2013-08-07 | Architecture
 道頓堀に架かる戎橋の橋詰にひときわ存在感があるアーチ式の大玄関をもった日本初の近代式映画館。

 1997年に最新型の劇場に改築されても、その存在感はそのままに道頓堀に溶け込んでいるような気がします。

 大阪に5年振りに住んでみると5年前に気付かなかった景色と出逢います。

初稿 2013/08/07
校正 2021/03/02
写真 松竹座, 1923.
撮影 2013/07/12(大阪・道頓堀)

∫1「南海ビルディング」 大阪・なんば, 1932.

2013-08-07 | Architecture
 大阪・なんば、よく足を運ぶところですが、いつもなぜかしら斜めに切り込む陽射しが眩しく感じるのが印象的です。

 昭和の高度成長期の記憶が随所に感じられますが、時代が変わっても、街も人も常に、変わらない生命力が随所に感じられます。

初稿 2013/08/07
校正 2021/03/03
写真 南海ビルディング, 1932
撮影 2013/08/03(大阪・なんば)