今日から公開の映画「君が踊る、夏」をさっそく観に行ってきました。
一人でも多くの人に見てほしい、素晴らしい映画でした。
-----内容-----
高知県出身の寺本新平は、プロを目指して東京でカメラマンのアシスタントとして奮闘していた。
ある日、5年ぶりに高知に帰った新平のもとに、かつての恋人・香織が「一緒によさこい祭りに出て欲しい」と訪ねて来た。
難病に侵された7歳の妹・さくらの夢を叶えるために、かつてのチーム「いちむじん」を再結成してよさこい祭りに出たいと言うのだ。
新平たちはかつてのチーム「いちむじん」を再結成し、よさこいの練習を始めるが…。
-----感想-----
私がこの映画を知ったのは今年のスーパーよさこいのときでした。
もらったパンフレットに出場チームの一覧があり、その中で昨年の大賞受賞チーム「ほにや」に目が留まりました。
そのコメント欄に『ほにやよさこいでの実話から「君が踊る、夏」が9・11全国公開されます。』とあり、初めてこの映画を知りました。
そして「ほにや」の演舞を見ているうちに映画にも興味が出てきて、今日観に行くことになりました。
表彰式のときに聞いた、映画のモデルとなった少女の難病の話も心に残っていて、これはぜひ観に行かなくては!という気持ちになっていました
主人公の新平は5年前に、香織の妹・さくらちゃんと「いちむじん」で一緒によさこいを踊る約束をしていました。
「いちむじん」は高知弁で”一生懸命”という意味です。
しかし新平はプロのカメラマンになる夢を追いかけるために東京に行き、またさくらちゃんは5年以上の生存例がないという難病の小児癌を発症、さらに「いちむじん」はその年を最後に解散してしまっていました。
そして新平が母の入院で5年ぶりに高知に帰ってきたことから、ひと夏の感動の物語が始まります
5年、それはつまり5年以上の生存例のない難病に侵されているさくらちゃんにとって、最後になるかも知れない夏を意味しています。
新平との約束を今も覚えていたさくらちゃんは、「死んでもいいき、踊りたい」とよさこいを踊ることを強く願っていました。
その強い思いを知った姉の香織は5年ぶりに「いちむじん」を再結成しようと決意します。
しかし一度バラバラになったみんなをもう一度集めるのは容易ではありません。
高知に帰ってきていた新平と再会も果たしますが、両者には5年前に新平が東京に行くときに誤解が元で別れた経緯があり、新平は「いちむじん」の再結成に協力しようとしません。
その誤解の元になったのが新平の親友・大滝司で、この二人はかつて「いちむじん」で纏(まとい)という旗振り役をしていました。
この辺りの恋愛関係のもつれは、いかにも青春物語だなと思いました^^
司が香織と付き合っていると誤解していた新平は、高知に帰ってきてからもこの二人にはよそよそしく接していました。
とはいえ「いちむじん」には纏の二人の力が絶対必要なので、果たして仲直りできるのか注目しながら見ていました。
その「いちむじん」、最初は香織とさくらちゃんの二人だけかと思われましたが、司の母で「いちむじん」の元代表でもある園子の説得もあって、新平が加わります。
その他にも説得の甲斐あってかつてのメンバーが集まり、ついに「いちむじん」が復活!
よさこい祭りに向けて練習が始まります
物語の舞台が高知だけあって、言葉の多くは土佐訛りとなっていました。
これが大河ドラマ「龍馬伝」を思い起こさせました。
「○○やき」←「○○だから」の意
「そげなことで」←「そんなことで」の意
「のう、○○」←「なあ、○○」の意
こんな感じで、大河ドラマの坂本龍馬を思い起こさせるような言葉がたくさん出てきました。
また、よさこい祭りまで残りわずかとなったある日、東京の先輩から新平が新人カメラマンの登竜門とされる賞を受賞したという連絡が入ります。
本来なら嬉しい話ですが、しかしその授賞式はよさこい祭りの当日。
しかも欠席した場合は権利放棄と見なされ、賞をもらえなくなってしまうというのです。
授賞式に出るか、それともさくらちゃんとの約束を守るか。。。
新平は悩むことになります。
私的には、新平の選択はあれで良かったのだと思います。
少しだけ予想と違っていた分、クライマックスがより感動的になりました
まあ、ただ単に「王子様登場」より、もうダメかという場面で「王子様登場!」のほうが格好良いですしね
「いちむじん」がよさこい祭りで踊る場面はかなり良かったです。
それはまさに、さくらちゃんの夢が叶った瞬間でもありました。
エンディングは画面右側に出演者、関係者たちの字幕、左側に物語の回想映像となっていました。
この回想映像にちょっとしたサプライズがありました。
この作品は大勢の人が関わっているため、字幕もかなり長く続きます。
東方神起の『With All My Heart 〜君が踊る、夏〜』という主題歌が終わり、音楽が別のものに切り替わったそのとき、回想映像が「回想」ではなく、物語の「続き」に変わったのです。
既に席を立って退席しようとしていた人たちは、一瞬階段で足を止めていました(笑)
というわけで、最後の最後まで目の離せない作品でした。
途中、あちこちから鼻をすする音が聞こえてきたりもしました。
私自身も何度かじわりと涙ぐむ場面がありました。
実話を元にしているだけあって、実際に5年目の夏に「ほにや」で踊った少女がいるのを考えると、命の輝きの凄さを感じます。
とても感動的な素晴らしい物語なので、興味のある方はぜひ観に行ってみてください