丸山和也参議院議員が「オバマ大統領は黒人の血を引く奴隷」と発言したとして物議を醸しています。
こういう時は、どんな発言をしたのか発言の全文を見てみるのが良いと思います。
丸山和也参議院議員の発言の全文を次に示します。
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バカみたいな話だと思われるかもしれないかもしれませんが、例えば今、アメリカは黒人が大統領になっているんですよ。
黒人の血を引くね。
これは奴隷ですよ。はっきり言って。
リンカーンが奴隷解放をやったと。
でも、公民権も何もない。
マーティン・ルーサー・キング(牧師)が出て、公民権運動の中で公民権が与えられた。
でもですね、まさか、アメリカの建国、当初の時代に、黒人・奴隷がアメリカの大統領になるとは考えもしない。
これだけのですね、ダイナミックの変革をしていく国なんです。
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これを見ると、発言は「アメリカはこれだけダイナミックな変革をしていく国だ」と讃えようとしていて、報道との違いに気付くかと思います。
まず、かつて黒人は白人によって奴隷として扱われていました。
これは歴史的事実です。
そしてリンカーン大統領が奴隷解放をしたものの、公民権も何も与えられませんでした。
その後、有名なキング牧師が登場し、公民権運動を展開してついに黒人に公民権が与えられました。
これも歴史的事実です。
そして2008年、バラク・オバマ大統領という、かつては奴隷にされていた黒人から、史上初めてアメリカ合衆国大統領が誕生しました。
丸山和也参議院議員は歴史的な経緯を説明した上で、「かつては奴隷として扱われていた黒人が公民権を得て、ついには大統領が誕生するという、アメリカはこれだけダイナミックな変革をしていく国だ」と讃えています。
ただし、言葉の選び方が下手なため、マスコミに狙われることになりました。
発言全文のうち、真ん中のリンカーン大統領とキング牧師のくだりを削除して、その前の文と後ろの文をつなぎ合わせると、現在テレビで報道されているような趣旨の発言(黒人への差別発言)になります。
このようにリンカーン大統領とキング牧師のくだりを削除して編集すると、「黒人は奴隷。奴隷が大統領になるなんて信じられない」と黒人差別をしているかのような発言に加工されます。
切って貼っての切り貼り報道で、「偏向報道」の手法の一つです。
この場合は本来の発言の趣旨である「讃える」とは真逆の「差別発言」にされていて、「捏造報道」と言っても良いかと思います。
テレビの報道について定めた放送法第4条に何と書かれているかを次に示します。
第4条
放送事業者は、国内放送及び内外放送(以下「国内放送等」という。)の放送番組の編集に当たっては、次の各号の定めるところによらなければならない。
(1) 公安及び善良な風俗を害しないこと。
(2) 政治的に公平であること。
(3) 報道は事実をまげないですること。
(4) 意見が対立している問題については、できるだけ多くの角度から論点を明らかにすること。
発言の趣旨を真逆にねじ曲げて報道することは「(3)報道は事実をまげないですること」に違反しています。
「報道の自由」「表現の自由」と言っていれば何をしても許されると言うのでしょうか。
私は違うと思います。
「高市早苗総務大臣がテレビ局の停波の可能性に言及」の記事に書いたように、テレビ局の放送法を無視した「偏向報道」の酷さは尋常ではありません。
テレビと新聞しか情報源がなくネットを見られない人は「丸山和也参議院議員が黒人に差別発言」という捏造報道を信じ込まされてしまいます。
公共の電波を扱うテレビ局として許されない行為です。
放送法違反を繰り返す悪質なテレビ局に対しては真剣に放送免許の剥奪を検討すべきだと思います。
もちろん、偏向報道を繰り返すテレビ新聞のマスコミを前に隙のある発言をした丸山和也参議院議員の脇の甘さにも問題はあります。
こういう報道をする悪質な人達だと分かっているはずなのですから。
しかし一番の問題は、発言を偏向して本来の趣旨とは全く違う趣旨で報道するテレビ新聞のマスコミにあると思います。
「アメリカとの外交問題になりかねない」と煽っているようですが、これは「外交問題にしたい」の間違いです。
多くのテレビ新聞のマスコミは日本を困らせたり貶めたりすることに執念を見せる特徴があり、「反日左翼マスコミ」「売国左翼マスコミ」と呼ばれる由縁がここにあります。
少なくともこの件で丸山和也参議院議員が議員を辞職するような必要は全くないです。
言葉狩りに異常な執着を見せるマスコミや自分達の酷さは棚に上げ他人の批判しかできない民主党のような政党に潰されることなく、脇を締めて議員の職責を果たしていってほしいと思います。