次女の通う金沢の辰巳丘高校で、今日は創立20周年の式典があった。この高校は芸術専門コースがあり、国公立の美大や音大を目指す生徒たちがいる。美術後援会の会長を引き受けているので、式典での挨拶を頼まれてでかけて来た。20周年記念に美術後援会が代々積み立てたお金で、何か形ある素晴らしいものを、ということでニケ像がおくられることになったのだ。このニケの像は私の卒業した大学にもあるのだが、窓からこぼれる光の関係でここで見るとまた違った趣きがある。このニケ像はエーゲ海のサモトラケ島にあったものと思われているが、海底から発掘された大理石の本体はルーブル美術館が所蔵している。勝利の女神ともいわれ、翼を広げた姿に風を受けた衣がひるがえり勇ましく、華麗な美しさがある。ニケの女神が飛んでいった方が勝利を得ると言い伝えられているので、ニケはいつも翼をもっているのだ。わたしもこのニケの像が学生時代から大好きだ。式典の最後には、生徒たちのオーケストラでシベリウスの名曲「フィンランディア」も生演奏され芸術の秋を堪能させてもらった日だった。