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春のめざめ

2010年05月15日 22時06分00秒 | 観劇

今回は、ステージシートに席を取り、作品を楽しんでみました。
小さな荷物ならそのまま着席できるエクウスとは異なり、荷物は専用のロッカーに入れて一切の持ち込み禁止で、役者さん達の一部のような形で席に着きます。
人数の多い下手のL列と比較して、観客数の少ないR列は、いっそう歌わないキャストという印象を受けます。
通常の客席と異なり、真横であったり、後方からの視線ですが、普段とは違うポジションだけに、それぞれの表情がよく解ります。
まず気付いたのが、竹内君から山下君に変わりった、エルンスト。
女性的な雰囲気の役だけに、どんな雰囲気になるかと思っていましたが、違和感はほとんど感じませんでした。
ステージシートから観ていると、モリッツの居眠りに田代さん扮する教師が気付いた時点から、震えています。
普通に客席から観ていたのでは、気付かないかも知れません。
今回の席は田代さんや都築さんが座る席の真後ろと言うこともあり、いっそう興味深く観る事が出来ました。
まるで、楽屋への出入り口のようです。
シーン毎にキャラクタが次々と代わり、その度に別の役者が現れる印象です。
都築さんでは、冒頭でベンドラに難問を突きつけられた時のコミカルな表情と、2幕でベンドラの妊娠を医師から告げられた時の、驚愕から怒りの表情が大変印象的です。
特に後者は、ステージシートのポジションだけでしか解らないだけに、印象深いです。
ベンドラの母親って、ベンドラが着ている服が幼く見えるから着替えろと言う反面で、姉夫婦に子供が生まれた事を話すだけなのに、膝の上に座らせていて子供扱いをしているんですね。
田代さんは、ラテン語の教師やモリッツの父親での怒りの表情のまま席に着かれるまでの表情が怖いです。
モリッツの名前が思い出せない校長と比べると、体から発する怒りが凄いです。
役者さんたちと同じ視線で、同じスペースにいる事もあってか、客席以上に気持ちが入り込んできます。
客席で観ているものと同じ舞台とは、思えないくらいです。
アンサンブルの方々が歌わないときは、ステージシートの観客と区別がつかないのですが、ステージ上の役者さんと同様に喜怒哀楽を表現していますが、私もいつの間にか彼らと同じ気持ちで観ていました。
モリッツの自殺のシーンに涙が出てきて、メルヒオールが校長から尋問されるシーンでは怒りが込み上げ、モリッツに次ぐベンドラの死に自らも死のうとしているシーンでも泣けてきました。
狭い舞台で、若者達のエネルギーが台詞や振り、床の振動などから全身に伝わってくるのも、そう感じさせてくれるのでしょうね。
お隣の石井さんかと思うのですが、時には蹴飛ばされるのではとさえ思えるくらいの迫力は凄かったです。
機会があれば、もう一度座ってみたいポジションです。

18009

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自由劇場2010年5月16日
ベンドラ林 香純
マルタ撫佐仁美
テーア岸本美香
アンナ山中由貴
イルゼ勝間千明
メルヒオール上川一哉
モリッツ三雲 肇
ハンシェン一和洋輔
エルンスト山下啓太
ゲオルグ白瀬英典
オットー加藤 迪
大人の女性都築香弥子
大人の男性田代隆秀
【女性アンサンブル】石井亜早実
橋本 藍
【男性アンサンブル】権藤雄太郎
伊藤綾祐
ピアノ・コンダクター野口彰子
ギター・塚田 剛
ベース木村将之
ドラムス佐野真吾
ヴァイオリン赤星友子
ヴィオラ&ギター・吉田篤貴
チェロ手塚春菜

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