連休を利用して、アイーダを存分に楽しんみました。
?前回から、1ヶ月半。?
久しぶりの舞台は、アムネリスが佐渡さんから大和さんに変わった以外は、変わらぬまま。?
熟成したカンパニーは、素晴らしい舞台を見せてくれました。?
いくつかの細かい変更があったものの、それ以上に智恵さんと阿久津さんのバランスが素晴らしいです。
智恵さんのアイーダは、人物像がとてもよく浮かび上がり、それだけにアイーダへ感情が移入していきます。
濱田さんのアイーダも好きでしたが、アイーダの生い立ちのようなものは私には感じられなかったので、智恵さんの表現がとても好きです。
『あの日は遠くに』の歌声、『ローブのダンス』でのメレブの言葉に、自分の行動が侍女たちを危険に巻き込み、エジプトの捕われてしまった事、捕虜となってしまった自分がヌビアの国にもたらすであろう影響などを考え、後悔と悲しさが痛いほど伝わってきます。
それだけに、『ローブのダンス』後半でのヌビアの民の思いを受け入れた時のアイーダの強さが際立ちます。
対照的に、アモナスロが捕らえられ収容所が絶望に変わる時、『神が愛するヌビア』では、アイーダが自分自身を励まし、そしてヌビアの民を勇気づけていく様子に涙が止まりません。
『迷いつつ』を歌う前に自信の資産をヌビアの民に分け与えてアイーダの思いに応えていたラダメス。
アイーダの口から出た言葉に呟く『解らないのか』の一言は、やはり阿久津さんならではですね。
でも、『星のさだめ』を歌うアイーダを観ていると、『結婚を取りやめて、家を建てる。』と言っているラダメスに対して、アイーダが『私の気持ちがわからないの?』と問いかけているように思えてなりません。
智恵さんのアイーダ、王女として生まれていなければ、ラダメスと出会う事がなければ、こんなに悩み苦しむ事は無かったんだろうなと思えてきます。
本当の愛を知る事の代償は、アイーダにはとても重いものに思えて・・・。
そういえば、智恵さんの頬から顎のラインが、前回よりもシャープになった(少し痩せた)気がします。
お疲れでなければいいのですが。
阿久津ラダメス
前回よりもお腹周りが少し貫禄が出てきた?ような気がしないでもないのは、私だけかな?
かなり心配だった喉も、休む事無く、ほぼ元の調子を取り戻したようで一安心です。
全般的には、以前より柔らかな印象を受けました。
それでも、捉えられたアイーダに『戦の垢を落としてもらう』や、アムネリスの寝室にアイーダを追ってきた時の『鉱山に送る事だってできるんだぞ。』のシーンの憎らしいくらいの嫌らしさは健在です。
他のシーンでアイーダに見せる優しとのコントラストが、良いですね。
一方で、晩餐会でゾーザーが『あのやんちゃ娘があんなに美しい女性になるなんて解っていたら私が求婚していたところだ。』にラダメスが言う『まだ間に合いますよ。』の気持ちの無さが客席から笑いが起きたりしていました。
ヌビア王拘束の知らせに『最高の栄誉を与えてやろう!』の後、以前はアイーダの事を思い出し、『アッ!』と声を出していたのが、声は出さずに拳を握りしめるポーズに変わっていました。
アイーダの『私の国の王なのよ。』には、言葉ないまま頷いていました。
私とてしては、『アッ!』の声は無くてもラダメスの気持ちは伝わると思っていたので、すっきりした気分です。
ゾーザーがアムネリスに軍事作戦を説明しているシーンで『よろしい、そうしましょう。』以降のラダメスの言葉が軽く、アムネリスの存在がなくなりそうなくらいに感じました。
ゾーザーの『お前が何に興味を持っているのか、聞かれたのでな。』の言葉に対する怒りなんでしょうね。
初見の大和アムネリス
3公演観て、まだアムネリスになりきれていないのかなという感じが。
言葉がうまく見つからないのですが、一生懸命演じている感じがしてしまって・・・。
もう少し時間を空けて、観てみたいです。
楽の頃には、素晴らしいアムネリスが観られることと思います。
残念に感じられたのは、オープニングの博物館シーン。
展示ケースから出てくるとき、足下を確認するためなのか顔を下に向けたまま振り向き、そして正面を見据えています。
他のアムネリスは、ずっと顔を上げたままだったと記憶しているのですが・・・。この時点で、アイーダとラダメスの再会を見届けるため時の旅人のような存在だけに、私としては下を向いて欲しくないです。
16日のソワレでは、『真実を見た』で、自分の音を失ってしまったかのような印象を受けることもありました。
全般的には、ほのかさんのアムネリスに似ている気がします。
審判のシーンは、特に。
アイーダがアムネリスにラダメスを救うよう懇願するシーン辺りから、頬には大粒の涙がこぼれています。
ファラオの隣に座っている時も、頬を伝う涙が顎から落ち続け、『我こそはイシスの神の娘、その命令である!」と判決を下し、振り向き様に飛び散る大粒の涙は、ほのかさん以上です。
ラストの博物館では、時を超えて再会するアイーダとラダメスに向ける優しい笑顔が、佐渡さんと同じように素敵でした。
このシーンを観ていると、時が違えばそれぞれが良き友、良きパートナーとして、国を超えて笑顔で言葉を交わしているんだとうなと思えてなりません。
今更ながら気付いた事が、いくつか。?・メレブの酒の横流しは、ラダメス公認??『酒樽がいくつか無くなった以外は・・・。』に対して、『またか!』と言いながら金貨をしまったメレブのポケット辺りを指差していました。?・ゾーザーへの茶化し?ラダメスが帰還しゾーザーと対面するとき、間にいるメレブが『神を愛し、民を愛し、そして何よりもご自分を愛しているゾーザー様。』とゾーザーを茶化している時、ラダメスが苛立つゾーザーを見て頬が緩んでいるんですね。?メレブも、それを解ってやっているのでしょうか??・失言??父アモナスロと脱出の話をしているとき、アイーダが取り出したホルスの目のお守りを見て『ラダメス将軍から?』と口走ってしまった後、アイーダとアモナスロに背を向けているメレブ。
他にも、細かい事が。
今まで、限られたところしか観ていなかったのを、改めて感じさせられました。
結局、3公演ともアイーダに泣かされっぱなしでした。
でも、観に来て本当に良かったと思います。
5月辺りは、濱田さんのアイーダを期待して劇場に来た方が多くみられたのですが、この3公演中は幕間や終演後の客席やロビーから「井上さんのアイーダ、良いよね。」という声が聞かれ、嬉しくなりました。
楽まで、1ヶ月。
楽のチケットは手元に無いけれど、ぜひ今のカンパニーのままもう一度観てみたいと強く思わせてくれました。
こんな心に残る舞台を観られた事に、感謝の祈りをせずにはいられませんでした。
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大阪・四季劇場 |
|
2011年7月16~17日 |
アイーダ |
井上智恵 |
アムネリス |
大和貴恵 |
ラダメス |
阿久津陽一郎 |
メレブ |
金田暢彦 |
ゾーザー |
飯野おさみ |
アモナスロ |
高林幸兵 |
ファラオ |
勅使瓦武志 |
ネヘブカ |
石倉康子 |
【男性アンサンブル】 |
黒川 輝 |
|
朱 涛 |
|
田井 啓 |
|
徳永義満 |
|
品川芳晃 |
|
河野駿介 |
|
江田あつし |
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森 健太郎 |
【女性アンサンブル】 |
加藤久美子 |
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大村奈央 |
|
宝生 慧 |
|
杏奈 |
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高橋亜依 |
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濱田恵理子 |
|
駅田郁美 |