東京千秋楽が早々に発表され、ショックを受けたアイーダを観てきました。
昨年10月にようやく東京での初演を迎えたにも関わらず、1年を待たずして楽がくるとは予想だにしていませんでした。
好きな作品だけに、最近の客席の状況を見て予測はしていましたが、先日のtwitterも利用したキャンペーンの実施もあったので期待はしていたのですが・・・。
今回、アイーダに秋さんがキャストされ、ネヘブカに松本さんも戻られたので足を運びました。
秋さんのアイーダの印象は、ヌビアの王女様でした。
冒頭でラダメス率いるエジプト軍に捕まってしまった時、剣を奪い取り仲間を救おうとする仕草や、メレブが掴もうとした腕を払う様子は、王女としての日常の振る舞いを感じさせるものでした。
声が澄んだハイトーンが魅力だったので、アイーダの力強さはどうかなという気持ちがあったのですが、そんなものは要らぬ心配でした。
アイーダが剣を奪い、エジプト軍に抵抗するシーンは、もう少し殺陣の稽古がいるかな。
濱田さんのようにはいかず、メレブっぽい剣さばきでした。
ラダメスの背中を流すシーンは、濱田さんや樋口さんのアイーダと比べても、ラダメスに対する怒りを強く感じさせるアイーダでした。
「あの日は遠くに」は、アイーダの身勝手が引き起こした現実を悔いる思いが痛いほど伝わり、涙が出てきます。
今回が10回目のアイーダでしたが、今更ながら気付いた事も。
エジプト軍が港に着き、人質達が連れ出されたシーン。
ラダメスがアイーダを人質の列から引き抜いた時、アイーダとネヘブカがラダメスやゾーザーに気付かれない様にしながらも、互いに相手を気遣っているんですね。
ほのかさんのアムネリスは、歌が良いですね。
市販されているCDでは、「今こそ2人を包むのは、あ~い~」で、ほのかさんやソンダンの金平さんも同じ様に伸ばしますが、五東さんや光川さんは「包むのは、愛~」と異なります。
この違いって、本人の加減だけのものなんでしょうか?
「真実を見た」のラストもです。
以前の秋さんのアイーダを観た事がないので比較が出来ないのですが、南十字星のリナやエビータを演じた事で、今回のアイーダに変化があったりしたのか、興味があります。
「人生の苦しみ」で目に涙をためて切々と歌っている姿を観ていたら、一瞬南十字星でリナと保科の監獄でのシーンが浮かびました。
今回、渡辺ラダメスと田中ゾーザーの組み合わせは初だったのですが、歌い方や台詞を聴いていると、私には親子というよりも兄弟に見えてしまうのですが、私だけでしょうか?
WICKEDを抜けた事もあり、そろそろ飯野さんに戻ってきて欲しいです。
ネヘブカに復帰した松本さんですが、やはり彼女の存在感は大きいです。
「ローブのダンス」や、脱出前日にアイーダの身代わりとなり連行されるシーン。
「髪が愛するヌビア」の歌声などなど。
魅力的な、存在です。
アイーダとラダメスへの判決をアムネリスが下すシーン、ほのかさんの表情が良いですね。
悲しみと苦渋に満ちた表情で判決を下し、自分の言葉を振り切るように去って行く後ろ姿。
愛情と友情と、国を背負わされて生きて行く事が決まった瞬間を見た気がします。
やはり私には、好きな作品です。
9月5日の千秋楽では、サウンド・オブ・ミュージックに出演されている智恵さんのアイーダは、見られそうも無いですね。
千秋楽までに、数回は足を運ぶ事になりそうですが、感動の舞台を楽しみにしています。
四季劇場[海] | |
2010年5月22日 | |
アイーダ | 秋 夢子 |
アムネリス | 鈴木ほのか |
ラダメス | 渡辺 正 |
メレブ | 吉賀陶馬ワイス |
ゾーザー | 田中廣臣 |
アモナスロ | 川原洋一郎 |
ファラオ | 岡本隆生 |
ネヘブカ | 松本昌子 |
【男性アンサンブル】 | 大塚 俊 |
品川芳晃 | |
田井 啓 | |
深堀拓也 | |
海老沼良和 | |
大森瑞樹 | |
森 健太郎 | |
小野功司 | |
【女性アンサンブル】 | 大石眞由 |
長島 祥 | |
小川飛鳥 | |
小笠真紀 | |
小島光葉 | |
高橋亜衣 | |
濱田恵里子 |