なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

発熱と後頸部痛

2012年05月11日 | Weblog

 60歳台半ばの男性。胃癌の術後で外科の外来に通院している。一昨日から高熱が出て、以前肺炎で入院したことがあるので、また肺炎になったのではないかと心配して外来を受診した。いつも受診している外科の外来を受診したので、外科で診察した。胸部X線とCTで肺炎の浸潤影はなかった。尿路感染症でも胆道感染症でもなかった。そのまま外科で入院になった。発熱が続いて昨日からは後頸部痛を訴えた。意識は清明だが、髄膜炎疑いで神経内科コンサルトとなり、腰椎穿刺が行われた。髄膜炎の所見はなかったので、内科コンサルトとなった。といっても、お昼に医局で弁当を食べている時に、外科医からお知恵を拝借と言われただけだが。相談されたのが、神経内科で検査する前だったので、頭部CTに加えて頸部CTも撮影してもらった。環軸関節の歯突起周囲に不整な石灰化があり、頸椎の偽痛風であるCrowned dens syndromeと思われた。CTで見る限り、頸椎自体は破壊されていないようだ。NSAIDで数日経過をみることになった。この方の孫が先月肺炎で入院したそうだ。マイコプラズマではないらしい。この患者さんも孫の発症後に発熱と咳があったが、すぐに症状が治まったので、受診しなかった。肺炎を疑った今回の入院時に、肺炎球菌尿中抗原が検査されて陽性だった。胃癌の手術は胃全摘と脾臓合併切除だが、肺炎球菌ワクチンはしていない。先月の発熱は肺炎球菌感染だった可能性があり、劇症化しなくてよかった。現在肺炎球菌感染が継続しているわけではないと判断されるが、NSAID加えて抗菌薬も入れることになった。症状が軽快した後に、肺炎球菌ワクチン接種を受けるよう勧めた。

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心気的な訴えのような

2012年05月11日 | Weblog

 60歳台前半の女性。1か月前から咽頭痛と微熱で耳鼻咽喉科や内科のクリニックを受診していた。抗菌薬が処方されていて、耳鼻科からはマクロライド系、内科からはセフェム系が出ていた。微熱といっても36℃台後半だが、私は平熱が低いので、これくらいでもひどいという。変形性脊椎症で通院している整形外科からは安定剤も処方されていた。倦怠感・食欲低下があるという。自分の症状のことはよくしゃべった。咽頭は発赤もなくきれいだった。首のリンパ節が痛いというが、リンパ節腫脹はなく、頸部に圧痛はなかった。検査してみたが、炎症反応は全く陰性だった。念のために出した甲状腺機能も正常域だった。NSAIDと抗菌薬の内服を続けていて、胃腸の調子が悪いという。両方とも中止して、頭重感がある時や熱っぽい時のみ頓用で使用することを勧めた。最初から入院希望という話が出たが、入院するような病気ではないし、入院するとかえって病人らしくなってしまいそうなので、入院しないほうがいいですとお話した。慢性C型肝炎で内科クリニックからウルソが処方されていた。肝機能は正常域だったが、ウイルスはいるのだろう。AFPは正常で、腹部エコーで肝硬変像はなく、腫瘍もない。内科クリニックで検査しているのだろうとは思ったが、HCVのグルーピングとRNAを提出した。2週間後に症状を確認するのと、外注検査の結果を聞きに来てもらうことにした。お寺の住職の奥さんで、檀家の世話など忙しいらしい。

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